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文献詳細

雑誌文献

medicina44巻6号

2007年06月発行

文献概要

連載 Case Study 診断に至る過程・10

病歴と身体所見1

著者: 松村正巳1 狩野恵彦2 上田幹夫2

所属機関: 1金沢大学医学部付属病院リウマチ・膠原病内科 2石川県立中央病院 血液内科 3カリフォルニア大学サンフランシスコ校

ページ範囲:P.1190 - P.1195

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病歴&身体所見

58歳,男性

主訴:発熱,腰痛

現病歴:高血圧と尋常性乾癬で通院中であったが,3週間前から倦怠感を自覚していた.5日前から38℃台の発熱,悪寒,腰痛が出現した.2日前には整形外科を受診し,乾癬性関節炎が疑われ,ロキソプロフェンナトリウム(ロキソニン®)が処方された.しかし,発熱が全く治まらず救急外来受診し,入院となる.

既往歴:51歳時から高血圧,54歳時から尋常性乾癬の治療を受けている.

内服薬:ニフェジピン(アダラートL®20mg)2錠/分2,フロセミド(ラシックス®20mg)1錠/朝,塩化カリウム(スローケー®)1錠/朝

家族歴:特記事項なし.

嗜好:たばこは吸わない.お酒も飲まない.

 最近の旅行歴,発熱のある人との接触もない.ペットは飼っていない.

身体所見:血圧84/50mmHg,脈拍120/分,不整,呼吸数28/分,体温39.0℃.意識レベルJapan coma scale3.眼底,耳,鼻,口腔内に異常所見はなし.リンパ節腫脹なし.手掌,指先,足底に圧痛のない紫斑が散在している(図1).両側上腕に尋常性乾癬の皮疹を認める.吸気時に肺底部にラ音を聴取する.心尖拍動は鎖骨中線より外側に径3.5cm触れる.胸骨左縁第3肋間にgrade2の拡張期雑音を聴取する.腹部に異常所見なし.腰の痛みを訴えるが,明らかな圧痛は認めない.頸部硬直はない.

参考文献

1)Sepsis syndrome. Epstein PE (ed):MKSAP 13;Infectious disease of medicine, pp1-3, American College of Physician, 2003
2)Mylonakis E, Calderwood SB:Infective Endocarditis in Adults. N Engl J Med 345:1318-1330, 2001
3)Durack DT, Lukes AS, Bright DK, and Duke Endocarditis Service:New criteria for diagnosis of infective endocarditis;Utilization of specific echocardiographic findings. Am J Med 96:200-209, 1994
4)Li JS, et al:Proposed modifications to the Duke criteria for the diagnosis of infective endocarditis. Clin Infect Dis 30:633-638, 2000
5)上野征夫:腰の痛み;リウマチ・膠原病診療ビジュアルテキスト,pp101-109,医学書院,2002
6)Churchill MA Jr, Geraci JE, Hunder GG:Musculoskeletal manifestations of bacterial endocarditis. Ann Intern Med 87:754-759, 1977

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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