文献詳細
文献概要
連載 Case Study 診断に至る過程・11
病歴と身体所見2
著者: 松村正巳1
所属機関: 1金沢大学医学部付属病院リウマチ・膠原病内科
ページ範囲:P.1394 - P.1398
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66歳,女性
主訴:手の関節炎,筋肉痛,発熱
現病歴:生来健康であったが,10週間前から手の対称性の関節炎,筋肉痛,食欲低下が出現した.また,2時間あまり続く,朝の手のこわばり感があるという.6週間前からは37℃台の発熱を認めるようになった.さらに,3日前からは最高38.5℃の発熱を認めていた.この2カ月で1.5kg体重が減ったという.食べ物が飲み込みづらいということはないが,口腔内の乾燥感は数年前からあるという.また,10カ月程前からは水仕事をすると,指が白くなる現象を認めていた.
既往歴:特記事項なし.
家族歴:特記事項なし.
嗜好:たばこは吸わない.お酒は飲まない.
職業:主婦
ペットは飼っていない.
身体所見:血圧120/74mmHg,脈拍96/分,整,体温39.1℃,呼吸数20/分.患者さんには慢性的な病的な印象がある.リンパ節腫脹,皮下結節,皮疹は認めない.眼,耳,鼻,口腔に異常所見はない.呼吸音,心音に異常なし.腹部にも異常所見なし.
両手の指は全体に腫れており,PIP(近位指節間),MP(中手指節)関節に腫脹,圧痛を認める.左の第2,3指の爪床の毛細血管の拡張を認める.また,下肢に沈下性の浮腫1+を認める.徒手筋力テストで異常は認めない.
66歳,女性
主訴:手の関節炎,筋肉痛,発熱
現病歴:生来健康であったが,10週間前から手の対称性の関節炎,筋肉痛,食欲低下が出現した.また,2時間あまり続く,朝の手のこわばり感があるという.6週間前からは37℃台の発熱を認めるようになった.さらに,3日前からは最高38.5℃の発熱を認めていた.この2カ月で1.5kg体重が減ったという.食べ物が飲み込みづらいということはないが,口腔内の乾燥感は数年前からあるという.また,10カ月程前からは水仕事をすると,指が白くなる現象を認めていた.
既往歴:特記事項なし.
家族歴:特記事項なし.
嗜好:たばこは吸わない.お酒は飲まない.
職業:主婦
ペットは飼っていない.
身体所見:血圧120/74mmHg,脈拍96/分,整,体温39.1℃,呼吸数20/分.患者さんには慢性的な病的な印象がある.リンパ節腫脹,皮下結節,皮疹は認めない.眼,耳,鼻,口腔に異常所見はない.呼吸音,心音に異常なし.腹部にも異常所見なし.
両手の指は全体に腫れており,PIP(近位指節間),MP(中手指節)関節に腫脹,圧痛を認める.左の第2,3指の爪床の毛細血管の拡張を認める.また,下肢に沈下性の浮腫1+を認める.徒手筋力テストで異常は認めない.
参考文献
1)上野征夫:リウマチ・膠原病診療ビジュアルテキスト,pp6-10,医学書院,2002
2)Gilliland BC:Systemic sclerosis (scleroderma) and related disorders, Kasper DL, et al (eds):Harrison's Principles of Internal Medicine 16th, ed pp1979-1990, McGraw-Hill, 2005
3)Sharp GC, et al:Mixed connective tissue disease―an apparently distinct rheumatic disease syndrome associated with a specific antibody to an extractable nuclear antigen (ENA). Am J Med 52:148-159, 1972
4)MCTD. UpToDate
5)Kondo H, Ishikawa A:Mixed connective tissue disease. Nippon Rinsho 60 Supple 1:397- 403, 2002
6)Wigley FM:Raynaud's phenomenon. N Engl J Med 347:1001-1008, 2002
7)Bulto MJ:Acute episode of Raynaud's phenomenon. N Engl J Med 347:992, 2002
capillary microscopy in scleroderma and related disorders. Arthritis Rheum 23:183-189, 1980
9)Granier F, et al:Nailfold capillary microscopy in mixed connective tissue disease. Comparison with systemic sclerosis and systemic lupus erythematosus. Arthritis Rheum 29:189-195, 1986
capillary microscopy findings and ophthalmoscopy findings in scleroderma. Arthritis Rheum 30:1173-1175, 1987
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