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文献詳細

雑誌文献

medicina44巻7号

2007年07月発行

文献概要

連載 成功率が上がる禁煙指導 誰にでもできる日常診療の工夫・1【新連載】

禁煙指導を始めるに当たって医師としての取り組み

著者: 安田雄司12

所属機関: 1医療法人啓生会やすだ医院 2NPO法人京都禁煙推進研究会

ページ範囲:P.1406 - P.1411

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 2006年4月から「ニコチン依存症管理料」が新設され,禁煙治療を開始したか,もしくは将来取り入れようと考えている医療機関は多いと考える.しかし,治療を始めてもなかなか禁煙成功率を上げられなかったり,どうやって禁煙を進めていけば良いのか迷っている医師も少なくない.当院では1998年開院と同時に禁煙指導を行うとともに同年に発足した京都禁煙推進研究会(現NPO法人京都禁煙推進研究会)の構成メンバーとして会員相互による禁煙指導技術を向上させる努力を行ってきた1).そして「ニコチン依存症管理料」が新設されると同時に保険診療による禁煙治療を開始し,2006年末の途中集計では禁煙成功率が70%と予想以上に良好であった.禁煙成功率を向上させる工夫とその取り組みなどを私見を交えながら述べていきたい.したがって,“禁煙治療”としての基本的なことは,禁煙ガイドライン2),禁煙治療のための標準手順書3)や禁煙外来マニュアル4)などで詳しく書かれており,本文では私が日常診療上での禁煙治療成績を上げるためにいろいろ取り組み工夫した内容を中心に記載した.

参考文献

1)京都禁煙推進研究会(編):さよなら卒煙ハンドブック,京都新聞出版センター,2002
2)9学会合同研究班(編):禁煙ガイドライン.Circ J 69(Suppl. IV):1005-1103,2005
3)日本循環器学会,日本肺癌学会,日本癌学会:禁煙治療のための標準手順書第2版,2007
4)中村正和,田中善紹:禁煙外来マニュアル,日経メディカル開発,2005
5)Simpson D:Doctors and Tobacco,日本医師会,2002
6)兼板佳孝:http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/jcs2006/200603/500031.html
7)吉井千春:ニコチン依存度テストの現在と未来,治療 88:2572-2575,2006
8)中村正和:禁煙治療に対する保険適用の理念と今後の課題,治療 88:2456-2463,2006
9)加濃正人:タバコ煙の構成,治療 87:1871-1875,2005
10)山岡雅顕:患者さんの疑問に答える,治療 87:2023-2025,2005
11)山岡雅顕:受動喫煙を防ぐには,禁煙学,pp28-37,南山堂,2007
12)森田明理:顔をみればわかる「喫煙者」,Smoke Free Views 4:9-11,2007
13)加濃正人(編):タバコ病辞典,実践社,2006
14)大島 明:禁煙治療制度化の意義と今後の課題,治療 88:2452-2454,2006
15)伊佐山芳郎:現代タバコ戦争,岩波新書,2006
16)http://www.nosmoke-med.org/who2004.html
17)http://www.kin-en.info/release_050708.html
18)松崎道幸:おとなの受動喫煙病,禁煙学,pp22-28,南山堂,2007
19)繁田正子:認知行動療法の活用方法,井埜利博(監修):禁煙病学,最新医学社,2007(in press)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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