文献詳細
文献概要
今月の主題 動脈硬化のトータルマネジメント
扉
著者: 前村浩二1
所属機関: 1東京大学循環器内科
ページ範囲:P.1441 - P.1441
文献購入ページに移動 近年,ライフスタイルの欧米化に伴い,肥満,高脂血症,糖尿病,高血圧などの生活習慣病が増加し,その結果,虚血性心疾患,脳梗塞,閉塞性動脈硬化症などの動脈硬化を基盤とする疾患が増加している.血管を臓器としてとらえた場合,その占める体積は体内のどの臓器よりも大きく,血管は全身で最も大きな1つの臓器とも考えられる.実際に虚血性心疾患,脳梗塞,閉塞性大動脈硬化などの動脈硬化性疾患は同一患者に合併することが多いため動脈硬化を全身病として捉え,個々の疾患を別々に扱うのではなく,全身の動脈硬化の予防,治療を念頭に置いた診療が必要であるといえる.
動脈硬化の進展には高脂血症,糖尿病,高血圧,喫煙などの危険因子が関与していることはよく知られているが,最近,メタボリックシンドロームや炎症,酸化ストレスの観点から動脈硬化のメカニズムが明らかにされてきている.このことから,動脈硬化予防のためには危険因子に個別に対応するのみでなく,動脈硬化に至る過程のなるべく上流で予防,治療をするように流れが変わりつつある.実際に糖尿病に対して,単に血糖のコントロールのみでなく,インスリン抵抗性を改善するPPARγアゴニストなどの新しい治療薬を用いることで,心血管イベントの発症が抑制されることが明らかになっている.
動脈硬化の進展には高脂血症,糖尿病,高血圧,喫煙などの危険因子が関与していることはよく知られているが,最近,メタボリックシンドロームや炎症,酸化ストレスの観点から動脈硬化のメカニズムが明らかにされてきている.このことから,動脈硬化予防のためには危険因子に個別に対応するのみでなく,動脈硬化に至る過程のなるべく上流で予防,治療をするように流れが変わりつつある.実際に糖尿病に対して,単に血糖のコントロールのみでなく,インスリン抵抗性を改善するPPARγアゴニストなどの新しい治療薬を用いることで,心血管イベントの発症が抑制されることが明らかになっている.
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