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文献詳細

雑誌文献

medicina44巻8号

2007年08月発行

文献概要

今月の主題 動脈硬化のトータルマネジメント 臨床に役立つ最近のトピックス

コレステロール吸収と動脈硬化―ABCG5,8およびNPC1L1を中心に

著者: 蔵野信1 塚本和久1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院糖尿病・代謝内科

ページ範囲:P.1567 - P.1569

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ポイント

●ステロリン1(ABCG5),ステロリン2(ABCG8)は,小腸でのステロール排泄と,肝臓から胆汁中へのステロール排泄にかかわっている.

●ABCG5,8の異常は早発性動脈硬化症を起こす疾患であるシトステロール血症を引き起こす.

●NPC1L1は小腸におけるステロール吸収に重要な役割を果たしている蛋白質である.

●NPC1L1を阻害するエゼチミブは高脂血症治療薬として用いられている.

●スタチン長期使用者,2型糖尿病患者,肥満患者においてはコレステロール吸収が亢進している.

●コレステロール吸収の亢進している患者では動脈硬化を起こしやすい,という疫学研究もある.

参考文献

1)Bregmann K, Sudhop T, Lutjohann D:Cholesterol and plant sterol absorption;Recent Insights. Am J Cardiol 96:10D-14D, 2005
2)Oram JF, Vaughan AM:ATP-binding cassette cholesterol transporters and cardiovascular disease. Circ Res 99:1031-1043, 2006
3)Altmann SW, et al:Niemann-Pick C1 like 1 protein is critical for intestinal cholesterol absorption. Science 303:1201-1204, 2004
4)Strandberg TE, et al:Cholesterol and glucose metabolism and recurrent cardiovascular events among the elderly. J Am Coll of Cardiol 48:708-714, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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