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連載 内科医が知っておきたいメンタルヘルスプロブレムへの対応・8
性格が偏っている人―人格障害
著者: 中尾睦宏1
所属機関: 1帝京大学医学部衛生学公衆衛生学・心療内科
ページ範囲:P.1629 - P.1633
文献購入ページに移動 診療に限らず,身の回りや職場のなかでいわゆる「困った人」や「変わった人」はいないだろうか?偏屈なだけならまだ良いのだが,怒りっぽかったり攻撃的であったりするとやっかいである.「あの人何か変わっていない?」と同僚に相談しても,「あれは性格だから仕方ないよ」と返されるのがせいぜいではなかろうか.十人十色ということわざを持ち出すまでもなく,人間にはさまざまな性格がある.多少の性格の偏りは個性として片付けられるが,極端な性格の歪みは対人関係や社会生活での摩擦を頻繁に引き起こす.内科医としては,そうした著しい性格の歪みをもった患者が(自然発生的にも)相当の確率で存在することを踏まえて診療をしないと,手痛いしっぺ返しを受けることがあるので気をつけたい.
参考文献
1)狩野力八郎,高野晶,山岡昌之:日常診療でみる人格障害.三輪書店,東京,2004
2)American Psychiatric Association:Diagnostic and statistical manual of mental disorders, text revision. American Psychiatric Press, Washington DC, 2000
3)Nakao M, et al:Assessment of patients by DSM-III-R and DSM-IV in a Japanese Psychosomatic Clinic. Psychotherapy and Psychosomatics 67:43-49,1998
4)中尾睦宏,久保木富房:心療内科における境界型人格障害例.心身医療 7:627-631,1995
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