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文献詳細

雑誌文献

medicina45巻1号

2008年01月発行

文献概要

連載 研修おたく海を渡る・25

抗がん剤の値段

著者: 白井敬祐

所属機関:

ページ範囲:P.168 - P.168

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 Big Pharmaと呼ばれる大きな製薬会社はひとつの新薬の開発に900ミリオンドル=1000億円かけるといわれています.最近ではMolecular Targeted Agent(分子標的薬)と呼ばれる薬が抗がん剤を中心に話題になっています.日本でもリツキシマブ(商品名:リツキサン)などに続きベバシズマブ(商品名:アバスチン),エルロチニブ(商品名:タルセバ)といった薬が認可されています.

 がんの発生,進展に関係のあるターゲットを決めて,そこに作用しそうな物質をしらみつぶしに探したり,あるいは化学工学的にそこに作用するような物質を作り出すようです.しぼりこまれた候補が,細胞,マウスを使った臨床前実験を経て,初めて毒性試験である第1層試験にたどりつくことができます.そのあと第2層試験,そしてランダム化比較試験である第3層試験へと進んでいきます.第3層試験へ進むことができるのは第1層試験にたどりついた薬のうち数%だとも言われています.引き続いて投資に値する薬かどうか第1,2層試験の結果をできるだけ早く知りたいので,製薬会社も第1,2層には長い年月をかけてはいられないのです.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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