文献詳細
文献概要
今月の主題 浮腫をどう診るか 診断に迷う病態・頭のすみに置きたい疾患
systemic capillary leak syndrome(Clarkson症候群)
著者: 柴垣有吾1
所属機関: 1聖マリアンナ医科大学病院腎臓高血圧内科
ページ範囲:P.2044 - P.2045
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systemic capillary leak systemic capillary leak syndrome(SCLS)は1960年にClarksonらにより初めて報告された疾患概念であり,Clarkson症候群とも呼ばれる.SCLSは血管壁の蛋白透過性亢進のため,血管内の膠質浸透圧が維持できないために,体液の血管内から間質へのシフトを引き起こし,全身の浮腫や胸腹水を生じ,また,血管内容量の極度の減少によって,血管内容量減少性ショックをきたす.血管壁の蛋白透過性亢進のメカニズムは未だ不明であるが,パラプロテイン血症の合併が多く,サイトカインの急激な放出(サイトカインストーム)によっても同様の病態が観察される点から,何らかの循環液性因子の関与が示唆されている.
systemic capillary leak systemic capillary leak syndrome(SCLS)は1960年にClarksonらにより初めて報告された疾患概念であり,Clarkson症候群とも呼ばれる.SCLSは血管壁の蛋白透過性亢進のため,血管内の膠質浸透圧が維持できないために,体液の血管内から間質へのシフトを引き起こし,全身の浮腫や胸腹水を生じ,また,血管内容量の極度の減少によって,血管内容量減少性ショックをきたす.血管壁の蛋白透過性亢進のメカニズムは未だ不明であるが,パラプロテイン血症の合併が多く,サイトカインの急激な放出(サイトカインストーム)によっても同様の病態が観察される点から,何らかの循環液性因子の関与が示唆されている.
参考文献
1)Clarkson B, et al:Cyclical edema and shock due to increased capillary permeability. Am J Med 29:193-216, 1960
2)Dhir V, et al:Idiopathic systemic capillary leak syndrome (SCLS):Case report and systematic review of cases reported in the last 16 years. Intern Med 46:899-904, 2007
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