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文献概要
特集 目でみる診療基本手技 診療手技 注射法
静脈注射と血管確保
著者: 原田芳巳1 阿部幸恵2 大滝純司13
所属機関: 1東京医科大学病院総合診療科 2東京医科大学病院卒後臨床研修センター 3東京医科大学医学教育学講座
ページ範囲:P.62 - P.67
文献購入ページに移動注射による薬剤の投与は日常診療で頻繁に実施される手技である.しかし,経口投与法などの他の薬剤投与法と比較して,注射法のもつ特性と併せて,その危険性を十分理解していないと,治療の有効性を減弱させるだけではなく,場合によって医療事故・過誤に結びつく危険性を有しており,この点を十分念頭におくことが重要である.
注射法のうち,本稿で取り上げる静脈注射には,静脈注射(ワンショット)と点滴静脈注射がある.静脈注射は一般的に50ml以下の薬剤を注射器を使い1回で注入する方法で,直接静脈に穿刺して注入する方法と三方活栓から注入(側管注入),点滴をしていない末梢静脈留置針からの注入がある.点滴静脈注射は血管内に持続的に輸液や薬剤などを注入する方法である.
これら静脈注射は,直接血管内に薬剤が投与されるため,速やかに,かつ確実に有効血中濃度が得られる.一方,危険性として,①薬物投与量や投与スピードにより薬物血中濃度が容易に中毒域や致死域に達してしまう可能性があること,また②後述するような合併症もある.
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