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文献概要
特集 目でみる診療基本手技 診療手技 穿刺および生検法
Douglas窩穿刺法
著者: 藤原敏博1
所属機関: 1山王病院リプロダクションセンター
ページ範囲:P.128 - P.131
文献購入ページに移動Douglas窩穿刺は,主として産婦人科領域において用いられる手技である.Douglas窩とは,直腸子宮窩のことであるが,解剖学的にみると立位においても臥位においても腹腔の最低位に位置するため,腹腔内に存在する液体はこの部位に貯留することとなる.さらに後腟円蓋においては,腟壁を介して容易に腹腔内にアプローチすることが可能である.こうした特徴から,経腟的にこの部位を穿刺することにより,腹腔内貯留液を低侵襲に採取することができることになるが,その手技をDouglas窩穿刺とよぶ.現在では経腟超音波検査の普及により,本手技の位置づけは以前ほど高くなくなってきていることは否定できない.しかし,特殊な機器を要することなく,腹腔内貯留液を直接採取可能であるという利点は捨てがたいものがあり,適応と要約を順守する限りにおいて,今後も必須な穿刺手技としての重要性は変わらないものと思われる.
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