文献詳細
特集 目でみる診療基本手技
診療手技 チューブ挿入法・カテーテル管理法
文献概要
ポイント
イレウスチューブ留置の目的は,腸管閉塞部位より口側の腸管内容を持続的に吸引することによって腸管内圧を減圧し,腹痛,腹部膨満などの消化器症状を緩和するとともに,腸管壁の浮腫を改善し,腸管循環の改善や蠕動運動の回復をはかることにある.癒着性の単純性腸閉塞の場合は,イレウスチューブによる保存的治療により75~90%の症例で改善がみられるとされる1,2).また,イレウスチューブから造影を行うことで閉塞部位の診断を行うことができる.最終的に手術となった場合にも,イレウスチューブで腸管が減圧されていることにより,手術操作が容易となり,また先端の位置によって閉塞部位を確認できる場合もある.
イレウスチューブ留置の目的は,腸管閉塞部位より口側の腸管内容を持続的に吸引することによって腸管内圧を減圧し,腹痛,腹部膨満などの消化器症状を緩和するとともに,腸管壁の浮腫を改善し,腸管循環の改善や蠕動運動の回復をはかることにある.癒着性の単純性腸閉塞の場合は,イレウスチューブによる保存的治療により75~90%の症例で改善がみられるとされる1,2).また,イレウスチューブから造影を行うことで閉塞部位の診断を行うことができる.最終的に手術となった場合にも,イレウスチューブで腸管が減圧されていることにより,手術操作が容易となり,また先端の位置によって閉塞部位を確認できる場合もある.
参考文献
1)Gowen GF:Long tube decompression is successful in 90% of patients with adhesive small bowel obstruction. Am J Surg 185:512-515, 2003
2)Fleshner PR, et al:A prospective, randomized trial of short versus long tubes in adhesive small-bowel obstruction. Am J Surg 170:366-370, 1995
3)安部俊弘,岡 正朗:イレウス管による腸管内減圧.消化器外科 29:451-457,2006
掲載誌情報