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文献詳細

雑誌文献

medicina45巻13号

2008年12月発行

文献概要

特集 目でみる診療基本手技 救急手技 救急蘇生法

救急蘇生法の概略とガイドラインについて

著者: 平出敦1 作間未織1 森本剛1

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科医学教育推進センター

ページ範囲:P.230 - P.234

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ガイドラインの理念

 救急蘇生法のガイドラインは,国際的に標準化された手法を推奨しているのであって,必ずしも守るべき絶対基準や細かい手順を規定しているのではない.2005年に改定された最新のガイドラインは,この点が明確であり,蘇生に関するエビデンス(Consensus on Science with Treatment Recommendation:CoSTR)2)に基づき,各国の実情に合わせて各国がガイドラインを定めている(図1).すなわち,このガイドラインは唯一絶対の教条ではなくて,1つの理念に基づく推奨であり,さらに新しいエビデンスが明らかになれば,それに応じて改変されていくべきものである.

 したがって,われわれには,ガイドラインに提示されている手技の流れを丸暗記するのではなく,ガイドラインのもとになった考え方を理解して,現実の場面では,状況に合わせた対応が求められるのである.

参考文献

1)日本救急医療財団心肺蘇生法委員会:救急蘇生法の指針2005 医療従事者用,改訂3版.へるす出版,2006
2)2005 International Consensus on Cardiopulmonary Resuscitation (CPR) and Emergency Cardiovascular Care (ECC) Science with Treatment Recommendations. Resuscitation 67, 2005
3)2005 American Heart Association Guideline for Cardiopulmonary Resuscitation and Emergency Cardiovascular Care;Ethical Issues. Circulation 112:Ⅳ6-Ⅳ11, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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