文献詳細
特集 目でみる診療基本手技
救急手技 救急蘇生法
文献概要
他のすべての疾病と同様,心停止においても原因治療が重要である.特に心電図上,無脈性電気活動(pulseless electrical activity:PEA)や心静止を呈する心停止においては,その原因が解除できない限り,自己心拍を伴う調律に回復する見込みはきわめて低い.心図上のリズムが心室細動(ventricular fibrillation:VF)や心室頻拍(ventricular tachycardia:VT)の場合は,電気的除細動が最優先される治療であるが,除細動を何度試みてもVF/VTが持続したり,再発を繰り返したりする場合には,やはり原因治療が鍵を握ることになる.
言うは易し,行うは難し.心停止では原因治療が重要であるとはいうものの,現実には原因究明が困難な場合が多い.病院内で発生した心停止では,カルテや主治医がすぐにみつかるかもしれない.その場合には詳細な患者情報がわかるだろう.しかし,多くの患者が複数の基礎疾患を抱えており,そのうちのどれが心停止を引き起こしたのかは必ずしも明らかではない.病院外で心停止をきたした患者の場合は,患者情報そのものがほとんど入手できないことが多い.さらに,原因が判明したとしても,それが短時間に解除できなければ意味がない.心停止時間が長引けば,たとえ蘇生できたとしても良好な回復は望めない.
そこで,心停止における「原因の究明」とは,「解除可能な」原因として,可能性が比較的高いものを仮定し,それに対する応急的治療を試みて,その反応をみる作業の繰り返しとなる.
言うは易し,行うは難し.心停止では原因治療が重要であるとはいうものの,現実には原因究明が困難な場合が多い.病院内で発生した心停止では,カルテや主治医がすぐにみつかるかもしれない.その場合には詳細な患者情報がわかるだろう.しかし,多くの患者が複数の基礎疾患を抱えており,そのうちのどれが心停止を引き起こしたのかは必ずしも明らかではない.病院外で心停止をきたした患者の場合は,患者情報そのものがほとんど入手できないことが多い.さらに,原因が判明したとしても,それが短時間に解除できなければ意味がない.心停止時間が長引けば,たとえ蘇生できたとしても良好な回復は望めない.
そこで,心停止における「原因の究明」とは,「解除可能な」原因として,可能性が比較的高いものを仮定し,それに対する応急的治療を試みて,その反応をみる作業の繰り返しとなる.
参考文献
1)日本救急医療財団心肺蘇生法委員会(監修):救急蘇生法の指針 2005―医療従事者用.へるす出版,2007
2)Aufderheide TP, et al:Hyperventilation-induced hypotension during cardiopulmonary resuscitation. Circulation 109:1960-1965, 2004
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