icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina45巻13号

2008年12月発行

文献概要

特集 目でみる診療基本手技 救急手技 内科医に必要な救急処置

骨折・捻挫の固定法

著者: 岩田充永1

所属機関: 1名古屋掖済会病院救命救急センター

ページ範囲:P.342 - P.346

文献購入ページに移動
ポイント

 骨折治療というとギプス固定(Casting)と考えてしまい,内科医には敬遠されてしまいがちであるが,ギプス固定に固執する必要はない.十分な技術を習得しないままの未熟なギプス固定は,不適切肢位での固定による偽関節形成,固定後のコンパートメント症候群など,重篤な合併症をきたす原因となる.シーネ固定はギプス固定よりも歴史は古く,転位のない軽微な骨折ではギプス固定と同等以上に有効性が示されており1),ギプスと比較して組織の腫脹に対応しやすい,装着や脱着が簡便で,いざというときに対応しやすいという利点もあることから,受傷後早期の応急処置として是非身につけておきたい.

 転位・脱臼のない骨折は,RICE(Rest;安静,Icing;氷冷,Compression;圧迫,Elevation;挙上),良肢位での外固定という原則を守れば,外傷に不慣れな内科医も適切な初期対応が可能である2)

参考文献

1)Plint AC, et al:A randomized, controlled trial of removable splinting versus casting for wrist buckle fractures in children. Pediatrics 117:691-697, 2006
2)大場義幸,他:けが・うちみ・ねんざのfirst aid.医学書院,p169,1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら