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文献詳細

雑誌文献

medicina45巻2号

2008年02月発行

文献概要

今月の主題 しびれと痛み 患者の“何か変な感じ”をどう受け止め,応じていくか しびれ・痛みの基礎知識

しびれ・痛みのやさしい生理学―しびれ・痛みをどう理解するか

著者: 國本雅也1

所属機関: 1済生会横浜市東部病院脳神経センター

ページ範囲:P.196 - P.198

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ポイント

●痛みを伝える神経線維はAδとC線維である.それらの末端は自由神経終末で機械的受容器やポリモーダル受容器などがある.

●Aδ線維は伝導が速く部位局在の明確なぴりっとした鋭い痛みを伝え,C線維は伝導が遅く部位局在の不明瞭な,ずーんと疼くような鈍い痛みを伝える.

●痛みの中枢伝導路は脊髄後角から入り,交叉して対側の外側・内側脊髄視床路を上行し,視床を経て第一次および二次体性感覚野,さらに島や前頭葉へ投射する.

●病的痛みを発生する機序には,傷害を受けた末梢から中枢に至るさまざまなレベルでの求心路遮断痛,感作(sensitization),アロディニア,エファプスなどがある.

●しびれの機序に関しては,阻血によるNa+/K+ポンプの異常からその解除後の異常放電が原因と考えられ,脱髄部からのさまざまなインパルス異常も証明されている.

参考文献

1)佐藤昭夫:痛みの受容機構と鎮痛機構.高橋 徹,ほか(編):痛みの神経科学(脳と神経科学シリーズ6).pp45-58,メジカルビュー社,1997
2)Schmidt R, et al:Novel classes of responsive and unresponsive C nociceptors in human skin. J Neurosci 15:333-341, 1995
3)西村欣也,釘宮豊城:痛覚情報伝達とその調節.高橋 徹,ほか(編):痛みの神経科学(脳と神経科学シリーズ6).pp35-44,メジカルビュー社,1997
4)福山秀直,柴崎 浩:痛みのPET.高橋 徹,ほか(編):痛みの神経科学(脳と神経科学シリーズ6).pp67-73,メジカルビュー社,1997
5)池本竜則・他:仮想(擬似)痛み経験に伴う脳活動部位の検討.臨床神経生理学 34:353-354,2006
6)横田敏勝:臨床医のための痛みのメカニズム.改訂第2版,pp188,pp192,pp196,南江堂,1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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