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発刊によせて 詩を書く立場か
神経文字学―読み書きの神経科学 フリーアクセス
著者: 谷川俊太郎
所属機関:
ページ範囲:P.350 - P.350
文献購入ページに移動詩はどんなふうにして書くのですか,というような質問をされることがあります.パソコンの前に座ってコトバが泡みたいに浮かんでくるのを待つのです,というのが私の答え方です.浮かんできた数語ないしは一行を昔は鉛筆で書いていましたが,今はキーで打ちます.深層の混沌から生まれてきたコトバが表層で分節されて定着し,眼に見える形でディスプレーに現れる.普通は意識することのない,脳と眼と手をむすぶその働きの不思議さ,精妙さを,本書は脳の働きのある種の欠落から追求し,いわばネガからポジを写しだすように私たちに示してくれます.
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