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雑誌目次

雑誌文献

medicina45巻5号

2008年05月発行

雑誌目次

今月の主題 炎症性腸疾患と機能性腸疾患─病態の理解と求められる対応

著者: 松本誉之

ページ範囲:P.773 - P.773

 近年,生活習慣や食事習慣の欧米化に伴い,炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease:IBD)ならびに機能性腸疾患が増加している.狭義の炎症性腸疾患である,潰瘍性大腸炎は9万人を超える登録患者数があり,特定疾患の要件である5万人以下の希少難病という規定を超えつつあり,一般病院で診断や治療をすることが普通になってきている.一方Crohn病は約2万5000人程度とまだ多くはないが,こちらも一般病院で診療することは稀とは言えなくなってきている.他方,現代のストレス社会を反映して,腹痛や下痢便秘などを主訴とする過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome:IBS)に代表される機能性腸疾患は増加が著しく,最近の調査では,一般病院の内科外来を受診する人の20~30%にIBSを疑わせる症状があると報告されている.IBDとIBSは典型例では鑑別や診断はそれほど困難ではないが,軽症例などでは必ずしも容易ではない場合もある.本特集ではその両疾患について,背景となる疫学や病態などを理解していただき,それに基づいた診断と治療に役立つような構成を目指した.

 特に,症候からIBDを疑うのか,発症初期に感染性腸炎との鑑別をどのように行うのかなどは重要な点であり,臨床診断のみならず内視鏡の点からも鑑別のポイントを理解できるようにした.診断の後の治療方針の決定に当たっては,エビデンスに基づき,かつある程度標準化を図っていくことが重要である.もちろん現在あるエビデンスだけでは実際の患者さんの治療にそのまま適用することが難しい場合もある.そこで,厚労省研究班で作成した治療指針やガイドラインを基にして,重症度や臨床病型・内視鏡像などと,これまでのデータや経験などを加味した形で適正な治療を行う必要がある.

Editorial

今増えている炎症性腸疾患と機能性腸疾患

著者: 松本誉之

ページ範囲:P.774 - P.776

ポイント

●近年,炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease:IBD)の罹患率・有病率の増加が著しく,特殊な病気ではなくなってきている.

●過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome:IBS)は,最もコモンな消化器疾患の一つである.

●IBD,IBSともに初期の正確な診断と病態把握が重要である.

●IBDの治療では,ある程度エビデンスに基づいた内科治療が可能である.

●難治例は,分子標的治療や外科治療の適応で専門医にコンサルトする.

腸疾患診療のために知っておきたい病態と疫学

炎症性腸疾患の病態―潰瘍性大腸炎とCrohn病の危険因子を中心に

著者: 長堀正和 ,   渡辺守

ページ範囲:P.777 - P.780

ポイント

●Crohn病に関して,喫煙は発病,再発,手術率などの危険因子であるが,潰瘍性大腸炎では禁煙が発病の危険因子となる.

●NOD2/CARD15遺伝子のみならず,genome-wide association(GWA)研究により,いくつかの疾患関連遺伝子が明らかになっている.

●自然免疫は数分ないし数時間で効果を発揮する非特異的防御システムであり,特にCrohn病においてその欠損が病態に関与していると考えられている.

●Th17細胞はIL17を産生し,Th1およびTh2細胞群とは異なる第3の細胞群としてIBDの病態に関与していると考えられている.

機能性腸疾患の病態―過敏性腸症候群を中心に

著者: 白石良介 ,   黒木司 ,   藤本一眞

ページ範囲:P.781 - P.783

ポイント

●過敏性腸症候群は大腸疾患のなかで頻度の高い疾患であるが,病因病態の解明は十分されていない.

●病因病態として,消化管運動機能異常,内臓知覚過敏,脳腸相関の異常,先行する腸管感染症などが挙げられる.

●過敏性腸症候群の発症や症状の増悪にはストレスなどの心理異常が大きく関与している.

炎症性腸疾患と機能性腸疾患の疫学

著者: 朝倉敬子 ,   武林亨

ページ範囲:P.785 - P.788

ポイント

●IBDの年齢調整有病率は,2004年臨床調査個人票データよりUC33.8~70.2人,CD10.0~27.9人(人口10万人あたり)である.

●IBDの発症リスクに関連するとされる因子に家族歴・虫垂切除歴・喫煙・食事習慣などがあるが,さらなる検討が必要である.

●IBSの有病率は,世界的には4~35%,日本では10%前後と報告されている.

●IBSの発症リスクに関連するとされる因子に家族歴・虐待歴,腸管感染症の既往などがあるが,さらなる検討が必要である.

腸疾患の診断と鑑別のポイント

症候からみた腸疾患へのアプローチ

著者: 長田太郎 ,   大草敏史 ,   渡辺純夫

ページ範囲:P.791 - P.795

ポイント

●腸の炎症性・機能性疾患を疑ったときの問診は詳細に丁寧に行う.

●炎症性腸疾患は内視鏡所見だけでは鑑別できないことも多く問診が重要.

●Crohn病は大腸の検査だけでは診断がつかないこともあり小腸検査も行う.

●過敏性腸症候群の器質的疾患の除外には問診と便潜血反応が不可欠.

●下痢,血便をきたす疾患の特徴を理解する.

炎症性腸疾患の診断のポイント

著者: 長浜孝 ,   松井敏幸

ページ範囲:P.797 - P.799

ポイント

●問診や身体所見で炎症性腸疾患(IBD)が疑われれば,内視鏡やX線による消化管検査を行うことが望ましい.

●重症度,活動度分類は治療方針の決定,治療効果の判定,予後の推測に役立つ.

●潰瘍性大腸炎(UC)とCrohn病(CD)の鑑別が困難(Indeterminate colitis)と診断された症例でも,その典型例へ進展する可能性を考慮した経過観察が必要である.

炎症性腸疾患と鑑別に迷う腸疾患の見分け方

著者: 大川清孝 ,   上田渉 ,   佐野弘治

ページ範囲:P.800 - P.803

ポイント

●潰瘍性大腸炎と鑑別が必要な感染性腸炎はカンピロバクター腸炎とアメーバ性大腸炎である.

●カンピロバクター腸炎の内視鏡所見は浮腫,粘膜内出血が主体で軽症の潰瘍性大腸炎に類似する.

●潰瘍性大腸炎では感染性腸炎の除外のため,便培養を行うことが重要である.

●Crohn病と鑑別が必要な感染性腸炎はエルシニア腸炎と腸結核である.

機能性腸疾患の診断のポイント

著者: 佐々木大輔 ,   佐藤研 ,   福士嗣海

ページ範囲:P.805 - P.808

ポイント

●Rome基準では機能性消化管障害の分類および診断基準を定めており,世界的に用いられている.現在は改訂されてRome IIIである.

●機能性腸障害には過敏性腸症候群(IBS),機能性腹部膨満,機能性便秘,機能性下痢,特定不能の機能性腸障害がある.

●IBSは機能性腸障害の中では高頻度の疾患である.腹部不快感あるいは腹痛があり,排便障害を呈する.

●リスク徴候とはIBSの診断に際して器質性疾患であるリスクが高い,注意すべき徴候である.

炎症性腸疾患と機能性腸疾患の画像診断―造影X線・内視鏡など

著者: 清水誠治

ページ範囲:P.811 - P.813

ポイント

●機能性腸疾患の診断を安易に下してはならない.

●造影X線と内視鏡の利点・欠点を認識して効率的な検査を行うことが重要である.

●潰瘍性大腸炎を内視鏡で診断する場合,前処置を行わなくても観察が可能である.

●炎症性腸疾患では長期の経過観察が必要であり,苦痛のない検査を心掛ける.

●腸管病変のスクリーニングとして超音波検査は有用である.

炎症性腸疾患と機能性腸疾患における運動機能検査の役割

著者: 春間賢 ,   楠裕明 ,   眞部紀明

ページ範囲:P.815 - P.819

ポイント

●大腸の運動機能は,腸管各部位で認められるハウストラを形成する分節運動と内容物を肛門側に移動させる推進運動に分けられる.

●過敏性腸症候群では収縮運動の亢進と腸管知覚の過敏性が認められる.

炎症性腸疾患の治療

―日常診療へEBMをどう取り入れるか―炎症性腸疾患ガイドラインを中心に

著者: 上野文昭

ページ範囲:P.821 - P.824

ポイント

●診療ガイドラインは日常診療に活かすべき有用な情報源である.

●現代の診療ガイドラインはエビデンスに基づいて周到に作成される.

●病態が多彩で診療体系が複雑なIBDでは,エビデンスのみで対応し切れないこともある.

●ガイドラインの記載は一般に適切であるが,個々の症例で固執するのは誤りである.

●医師の判断力と患者の価値観が,診療ガイドラインを活用するうえで重要である.

潰瘍性大腸炎の内科治療の実際

著者: 中村志郎 ,   松本誉之

ページ範囲:P.825 - P.828

ポイント

●治療の方針は,臨床的重症度と活動性の病変範囲に基づき判断する.

●治療に際しては,感染因子の関与がないか検査する.

●重症のステロイド抵抗例では,外科医と連携のもと早期にシクロスポリンまたは血球成分除去療法の併用を検討する.

●ステロイド依存例では,イムラン・6MPを併用し減量と離脱を試みる.

Crohn病の内科治療の実際

著者: 緒方晴彦

ページ範囲:P.829 - P.832

ポイント

●成分栄養療法は本邦独特の治療法であり,欧米においてはほとんど行われていない.

●抗TNF-a製剤を病初期から投与するtop-down療法の是非が注目されている.

●インフリキシマブ以外の新しい抗TNF-a製剤の効果が期待されている.

●チオプリン製剤による免疫調節療法は緩解維持療法として行われる.

知っておきたい炎症性腸疾患の合併症とその治療―皮膚,関節病変,肛門部病変の診かた

著者: 仲瀬裕志 ,   千葉勉

ページ範囲:P.833 - P.838

ポイント

●炎症性腸疾患に合併する皮膚病変の特徴として多くの場合は疼痛を伴い,結節性紅斑と壊疽性膿皮症がよく知られている.腸管の炎症をコントロールすることで症状がおさまる場合が多い.

●炎症性腸疾患に関連する関節炎には強直性脊椎炎,末梢性関節炎があり,いずれもリウマチ因子は陰性である.

●炎症性腸疾患患者のQOLにかかわる肛門部病変の診察および治療はきわめて重要であり,診療にあたり,専門の外科,肛門科と連携をとるべきである.

知っておきたい炎症性腸疾患の外科治療

著者: 小金井一隆 ,   木村英明 ,   杉田昭

ページ範囲:P.839 - P.844

ポイント

●潰瘍性大腸炎重症例では,手術を念頭に内科治療を行い,7~10日で効果判定する.

●潰瘍性大腸炎難治例では,症状や治療によりQOLが低下する例は手術適応である.

●潰瘍性大腸炎の手術成績,術後のQOLはともに良好である.

●Crohn病では内科治療で改善できない病変に対して手術を行う.

●Crohn病の術後は経口摂取再開,社会復帰などQOL改善が期待できる.

●Crohn病の術後累積再手術率は10年で26~57%である.

機能性腸疾患の治療

―日常診療にEBMをどう取り入れるか―機能性腸障害治療の標準化

著者: 福土審

ページ範囲:P.846 - P.849

ポイント

●IBSの病態生理を患者が理解できるように説明し,納得を得る.

●IBSの治療では,まず食事と生活習慣改善を指導する.

●IBSでは治療目標を症状の完全寛解にせず,セルフ・コントロールに置く.

●IBSの薬物は,まず高分子重合体,もしくは,消化管機能調節薬を投与する.

●IBSでストレス・心理的異常の症状への関与が大きければ,抗うつ薬を用いる.

機能性腸疾患の内科的治療―過敏性腸症候群を中心に

著者: 峯徹哉

ページ範囲:P.850 - P.852

ポイント

●過敏性腸症候群の正しい診断を行い,その病態が機能的なものであり,死ぬような疾患ではなく,心配しないでよいと理解させることから治療が始まる.

●十分に問診を行い,患者の生活の問題点なども知ることが重要である.

●生活指導については,食事に十分な時間をかけること,毎日規則正しく排便することを心がけるよう指導する.

●薬物療法の基本は,消化管機能調整薬や高分子重合体を投与し,不十分であれば,そのうえに対処療法を行う.うつ病などが存在した場合に向精神薬を用いる.

機能性腸疾患治療における心療内科の位置づけ

著者: 永岡三穂 ,   福永幹彦 ,   中井吉英

ページ範囲:P.853 - P.856

ポイント

●治療には良好な治療関係の構築が不可欠である.

●患者の話を聴く姿勢を示し,患者の病気体験を尊重し,患者の病気解釈モデルに従って共に解決していくことが重要である.

●一般内科で生活指導,症状に沿った薬物療法を施行しても改善しない場合,心療内科への紹介を検討する.

炎症性腸疾患の長期予後とQOLの向上に向けて

炎症性腸疾患からの発癌とサーベイランス

著者: 渡邉聡明

ページ範囲:P.857 - P.860

ポイント

●潰瘍性大腸炎では,罹病期間が長くなるほど,大腸癌の発生頻度が高くなる.

●累積癌化率は,発症後10年で2%,20年で8%,30年で18%と報告されている.

●サーベイランスにおいてdysplasia(異型細胞)は,癌発見の有用なマーカーと考えられている.

●海外のガイドラインのstep biopsyに対して,本邦では,狙撃生検の重要性が指摘されている.

●狙撃生検を行うためには,色素内視鏡が有用であると報告されている.

炎症性腸疾患における外科治療の長期予後―フォロー中の留意点

著者: 高橋賢一 ,   舟山裕士 ,   佐々木巖

ページ範囲:P.861 - P.864

ポイント

●回腸肛門(管)吻合術後に回腸囊の非特異的炎症が生じることがあり,回腸囊炎と呼ばれる.

●回腸囊炎の多くは抗生剤治療により改善するが,稀に無効例や難治例が存在する.

●腸管外合併症である末梢関節炎は大腸全摘後に増悪することが少なくないため注意を要する.

●回腸肛門(管)吻合術後に遺残直腸粘膜が癌化したとの報告があり,稀ではあるが注意を要する.

●回腸肛門(管)吻合術後には妊孕性が低下するが,多くの患者で安全な分娩が可能である.

炎症性腸疾患の薬物療法の注意点

著者: 伊藤裕章

ページ範囲:P.865 - P.867

ポイント

●治療薬の投与にあたっては,その副作用を医者が理解するだけでなく,患者にもよく説明しておかなければならない.

●新しい治療薬に関する情報は教科書だけでは不十分で,日々収集を心がける必要がある.

炎症性腸疾患における日常生活指導

著者: 蘆田知史

ページ範囲:P.869 - P.871

ポイント

●日常生活指導はIBDのQOLや経過を改善するうえで有用である.

●喫煙は特にCrohn病の症例で禁煙を指導する.

●食事指導は全体的なエネルギー摂取量を考慮する必要がある.

●服薬指導はSASP/5-ASAの服用量についても注意を払う.

炎症性腸疾患患者の妊娠・出産時の治療のこつ

著者: 菊池英純 ,   石黒陽 ,   福田眞作

ページ範囲:P.872 - P.875

ポイント

●IBDは若年期発症が多く,患者が妊娠・出産する際には専門医による治療が必要である.

●IBD患者が妊娠を開始する際には緩解期が望ましく,再燃の徴候に最大限の注意をする.

●患者側の家族計画と医療者側の治療計画とをお互いに理解することが重要である.

●妊娠・授乳期には,主治医は薬剤の特性を熟知して治療を開始しなければならない

トピックス

腸疾患に関する2次情報の利用とその際の注意点―インターネット情報などをどう活用するか

著者: 中山健夫

ページ範囲:P.876 - P.878

ポイント

●EBM実践では診療ガイドラインやシステマティック・レビューなどの2次情報が有用である.

●Mindsでは潰瘍性大腸炎の診療ガイドラインやシステマティック・レビューが利用できる.

●Mindsでは患者・家族向けに潰瘍性大腸炎の一般向け情報を提供している.

●企業資金によるシステマティック・レビューや診療ガイドラインの利用には注意が必要である.

―炎症性腸疾患診断への活用が期待される―小腸内視鏡検査の進歩と意義

著者: 押谷伸英 ,   十河光栄 ,   荒川哲男

ページ範囲:P.880 - P.883

ポイント

●挿入時小腸では腸間膜付着側の観察が非常に制限される点に注意する.

●小腸潰瘍の鑑別には潰瘍の形態と潰瘍発生部位と腸間膜付着側との関連が重要である.

●Crohn病では回盲部および大腸の潰瘍が瘢痕化しても口側回腸に活動性潰瘍がみられる場合がある.

炎症性腸疾患の治療薬開発の現状―ここまで来た新治療法

著者: 鈴木康夫

ページ範囲:P.884 - P.886

ポイント

●キメラ型抗体インフリキシマブ(infliximab)に続く抗TNF-α抗体製剤としてヒト化抗体adalimumabとcertolizumabが臨床開発中である.

●炎症細胞浸潤を阻害する製剤として接着分子α4インテグリンの阻害薬natalizumabなどが開発中である.

●TNF-α以外の炎症性サイトカインであるIL-6やIL12/23そしてインターフェロンγなどを抑制する抗体製剤が開発中である.

●その他,T細胞受容体やケモカイン受容体を阻害する抗体製剤そしてPPARγリガンド製剤などが開発されている.

機能性腸疾患の治療におけるプロバイオティクスの位置づけ

著者: 藤山佳秀 ,   安藤朗

ページ範囲:P.887 - P.889

ポイント

●感染後過敏性腸症候群では,腸粘膜への炎症細胞浸潤が持続する.

●プロバイオティクスとは,生体にとって有用な作用を示す特定の生菌で,摂取することによって腸内細菌叢を変える作用を有する微生物と定義されている.

●IBS患者の腸内細菌叢の変化として,ビフィズス菌の相対的減少や小腸内細菌過増殖が報告されている.

●特定のプロバイオティクスは抗細菌作用,抗ウイルス作用を示し,抗炎症性サイトカインの産生を刺激し,炎症性サイトカイン産生を抑制する.

●プロバイオティクスのIBSに対する効果のエビデンスは十分ではない.

症例から学ぶ診療プロセス

外科との連携が有用であった潰瘍性大腸炎の1例―炎症性腸疾患の教育的な症例

著者: 應田義雄 ,   池内浩基 ,   松本誉之

ページ範囲:P.890 - P.892

ポイント

●重症潰瘍性大腸炎を治療する際は,外科との連携が不可欠である.

●重症潰瘍性大腸炎を治療する際,ステロイドや免疫抑制剤の適切な使用で日和見感染症を起こさないよう注意する必要がある.

●重症潰瘍性大腸炎の治療中に重篤な日和見感染症を発症した場合,積極的な抗菌療法を行い,外科的療法に切り替える判断も必要となる.

生活指導が有用であった1例―機能性腸疾患の教育的な症例

著者: 村野実之 ,   樋口和秀

ページ範囲:P.893 - P.895

ポイント

●IBSを治療する際,患者との信頼関係を構築した後に治療を進める必要がある.

●IBS患者はあらゆる背景因子をもっており,それを十分に理解する必要がある.

●生活指導に際し,決して患者に無理を強いないこと,完璧を決して望まないことに留意する.

●治療は心因性の問題解消,生活指導,薬物療法のcombination therapyが重要である.

座談会

炎症性腸疾患治療の標準化と患者QOL向上を目指して

著者: 松本誉之 ,   鈴木康夫 ,   松井敏幸 ,   杉田昭

ページ範囲:P.896 - P.906

 炎症性腸疾患は増加の一途をたどり,なかでも潰瘍性大腸炎患者数は10万人に迫る勢いである.従来は稀な疾患として専門医により管理治療されていたが,今後は一般内科医のもとを訪れる患者は増える一方であろう.原因不明の難治性炎症性腸疾患である潰瘍性大腸炎とCrohn病診療のポイントとして,病態に基づく標準的な診断・治療とフォロー中の留意点,標準治療に抵抗する難治例への対処法や,専門医および外科医へのコンサルトの時期について,率直にお話しいただいた.

連載 聖路加Common Diseaseカンファレンス・14

―循環器内科編―心房細動の管理のしかた

著者: 神野泰 ,   西原崇創

ページ範囲:P.913 - P.917

心房細動の基礎知識  まずはここを押さえよう
①本邦における心房細動の有病率は,種々の調査で60歳台までは1%未満であるが,80歳以上では約3%とされる.米国の2/3程度ではあるものの,心房細動は無症候性の場合も多く,実際にはさらに頻度が高い可能性がある.特に,高齢者では多くみられる不整脈である.
②心房細動は,ACC/AHA/ESC2006年度版ガイドライン1)において,持続時間の面から次のように分類される.

 ●発作性:7日以内に自然停止するもの(多くは24時間以内に自然停止)

 ●持続性:7日以上経って自然に停止するもの.薬物や直流通電による除細動が可能なもの.

 ●永続性:1年以上持続するもの.薬物や除細動では洞調律の維持が図れないもの.

 ●孤立性:器質的心疾患の合併しないもの.
③基本的にはレートコントロールもしくはリズムコントロールに加え,抗凝固療法の組み合わせが治療手段になるが,単に心房細動といっても持続時間や基礎疾患,年齢などによって多様な集団を含んでいる.また自覚症状の改善,塞栓症予防,心機能の改善・維持などのいずれを重視して治療するかもポイントであり,それぞれの患者背景に応じて適切な治療選択を行う必要性がある.

市中感染症診療の思考プロセス IDATEN感染症セミナーより・2

初期治療に反応しない場合の評価と治療のストラテジー

著者: 大野博司

ページ範囲:P.918 - P.922

ポイント

●感染症初期治療の失敗がすべて“広域スペクトラム抗菌薬への変更”を意味しない

●初期治療に反応しない場合,そのときの患者の状態および系統だった以下の9項目について点検する

研修おたく海を渡る・29

グループ診療

著者: 白井敬祐

ページ範囲:P.923 - P.923

腫瘍内科医は,アメリカでは売り手市場のようです.50~60代のオンコロジストが多く,順次リタイアするため,絶対的な不足になると全国紙でも取り上げられています.アメリカの開業医は,外来だけでなく,必要であれば契約した病院に主治医として患者を入院させて管理したりもします.前回でも少し触れたように,オフィスで外来をしつつ,入院患者の回診もするのです.

 今でもソロプラクティスといって,一人で開業している人もいますが,グループ開業といって気の合ったパートナーを見つけて3~5人ぐらいで開業するパターンが多いように思います.大きなグループになると20数人,あるいはさらにそれを大きくして,全国チェーンのグループもあります.今回は,私の知るある大規模グループについて紹介してみたいと思います.

研修医のためのリスクマネジメント鉄則集・5

リスクマネジメントのABCD―その3 訴訟防止と「予見性」

著者: 田中まゆみ

ページ範囲:P.924 - P.927

 引き続き,リスクマネジメントのABCDより「A:Anticipate(予見する)」について取り上げる.前回,前々回と,リスクマネジメントの基本となる「予見性」を身につけるには,医師個人として,あるいは医療チーム・組織としてどうしたらよいかを中心に述べてきた.今回は訴訟防止の観点から,「予見性」について考えてみることにしたい.

リスクマネジメントのABCD

A=Anticipate……(予見する)

B=Behave………(態度を慎む)

C=Communicate(何でも言いあい話し合う)

D=Document……(記録する)

患者が当院を選ぶ理由 内科診察室の患者-医師関係・5

私の内科医論―3つの基本ソフト

著者: 灰本元

ページ範囲:P.928 - P.932

 少々遅くなったが,自己紹介をしてみたい.私は無床診療所の内科開業医である.標榜科は消化器科,循環器科,呼吸器科,アレルギー科,心療内科.職員は医療事務,看護師,臨床検査技師,臨床放射線技師,管理栄養士,臨床心理士など常勤,非常勤を含めて23人である.常勤医は私一人だが,循環器内科医と放射線診断医(CT診断)が週一回診療に参加している.

目でみるトレーニング

著者: 濱田昇 ,   田村茂 ,   菊地弘敏

ページ範囲:P.933 - P.939

見て・聴いて・考える 道具いらずの神経診療・5

患者が診察室に入ってきた,その瞬間を捉える4―話し方からわかること

著者: 岩崎靖

ページ範囲:P.940 - P.945

 今回は,患者から主訴や症状の経過を聞く際の,話し方の観察ポイントについて書いてみたい.患者は「しゃべりにくい」,「呂律が回らない」,「言葉がはっきり言えない」などの主訴で受診する場合もあるが,話し方の異常は本人が自覚していない場合もあるので,主訴や問診表にあがっていなくても,話し方は常に観察する習慣をつけていただきたい.

 話し方の観察すべき点は,スピードはどうか,声量(声の大きさ)は大きいか/小さいか,聞き取りやすいか/聞き取りにくいか,語音明瞭度はどうか,言葉につまるか/流暢であるか,多弁であるか,嗄声はないか,など多岐にわたる.言葉の速さ・リズム・抑揚を合わせて「韻律(プロソディー;prosody)」というが,韻律を含めて話し方というのは十人十色であり,異常かどうかは総合的に判定する必要がある.

書評

《総合診療ブックス》今日からできる思春期診療

著者: 蜂谷明子

ページ範囲:P.780 - P.780

 「ベツニ」「ビミョー」などと言葉を発してくれるならまだしも,何と声をかけても俯いてオホーツク海の如く冷たく「……」ばかり.私のかける声はポカリポカリと浮いている流氷のよう.診察している自分のほうがドギマギしてしまう…….

 思春期の子どもの診察は各年代の中で最も苦手としている.さりとて興味がないわけではなく,何とかしたいと切望している年代でもある.なぜなら彼らは無表情ではあるが,私の言葉がちゃんと耳に入っているし,聴診をすれば頻脈・動悸があったりするのである.この複雑怪奇で興味深く,愛らしい思春期患者の診察に頼もしい助っ人ができた.

医療を経済する―質・効率・お金の最適バランスをめぐって

著者: 南部鶴彦

ページ範囲:P.795 - P.795

 医療経済学というテーマで出版されている書物は,それほど数が多いとは言えないものの,かなりの数にのぼる.これらの書物は経済学者が主たる執筆者なので,かなりの程度経済学のお作法に従っていることは避け難い.この結果として,非経済学の分野の人々にはとっつきにくい印象を与えているのではないかと思う.これに対して本書は,一方で標準的な経済学の基礎を要領よく解説した部分(第I部〔頁1-114〕,第III部〔頁185-250〕)と医療に特徴的な分析手法の解説とが非常にうまく融合されているという印象を与える.

 まず第I部では「効率」という概念がなぜ必要となるかを説明して,医療にも社会全体の稀少な資源が投入される以上,単純に医療保障は厚ければ厚いほどよいというものでないということがミクロ経済学の手法でわかりやすく説明されている.効率というと無駄を省くということであり,医療の質の低下につながると考えている人々がかなりいるとすれば,この第I部はそれが正しくないことを有効に説いていると思われる.

内視鏡所見のよみ方と鑑別診断―上部消化管 第2版

著者: 上西紀夫

ページ範囲:P.809 - P.809

 もう30年以上前になりますが,教室の前身である東大分院外科で研修していたとき,毎週木曜日に諸先輩や内視鏡診断に意欲のある先生方が症例を持ち寄って内視鏡の読影についての勉強会があり,わからないながらも参加していました.そしてあるとき,当時の順天堂大学教授でおられた城所仂先生から,「内視鏡でいちばん重要なのはGedankengangだ」と教えていただき,この考え方が内視鏡診断の原点となっています.

 つまり,内視鏡像を読み取って疾患を診断し,その病変の範囲や病態を頭に描き,そのうえで1枚1枚の内視鏡写真が見る人へのメッセージとなるよう,その疾患がわかりやすいように提示することが大事であるということです.その意味で,内視鏡写真はまさに芸術でありアートです.しかしながら,最近ではコンピュータ上で何枚でも撮影でき,また,消去できるためか,よく考えもせずにやみくもに写真を撮り,その後でゆっくりと見て診断しようという傾向があるように思えます.また,色素内視鏡や拡大内視鏡,NBI(Narrow Band Imaging)などさまざまな方法が開発され,より病変が見やすくなっていることもこの傾向を助長しているように思われます.すなわち内視鏡診断の基本であるGedankengangが少し疎かになっているのでは,と老婆心ながら危惧しています.

コミュニケーションスキル・トレーニング―患者満足度の向上と効果的な診療のために

著者: 高久史麿

ページ範囲:P.892 - P.892

 今回,医学書院から『コミュニケーションスキル・トレーニング─患者満足度の向上と効果的な診療のために』が発刊されることとなった.編集者の松村真司,箕輪良行の両氏をはじめ,本書の執筆に当たられた方々は,従来からコミュニケーションスキル・患者満足度訓練(CST)コースを開発し,かつ具体的に実施されてこられた方々であり,現在CSTコースを定期的に開催しておられる.本書はこれらの人たちによってCSTコースのテキストとして利用することを想定して編集されたものであり,その内容は「コミュニケーションスキルと患者満足度」,「患者に選ばれるために必要なコミュニケーションスキルとは」,「コミュニケーションスキルの実際」,「コミュニケーションスキル・トレーニングの実際」,の4章から成り立っており,医師が患者と良好なコミュニケーションを持つのに必要なさまざまな調査のデータ,具体的な表現法,ノウハウ等が詳細に示されている.また,模擬患者のシナリオ,CSTの実際について例示されているのも本書の特徴の1つである.

 私が現在勤務している自治医科大学にはUCLAで長年教鞭をとられ,2007年4月から常勤の教授として学生の教育に当たっておられるアメリカ人の方,米国の病院で8年以上働いた後,本学に来られた准教授の方等がおられるが,これらの教員が異口同音に言われることは,日本の医学教育の中で最も欠けているのはコミュニケーションの技術と理学的所見を正確にとる技術の2つであるということである.特に前者のコミュニケーション技術に関しては,欧米では小学生の時代から訓練を受けているとのことであり,コミュニケーションに関する教育を大学入学前に受けたことがないわが国の医学生や臨床研修医が,目前の患者とのコミュニケーションを保つのに苦労するのは当然の結果とも言えるであろう.しかしコミュニケーションの能力が医師にとって最も重要な能力の1つであることは疑いの余地がない.患者からの不満の中でいちばん多いのは,医師が十分に言うことをよく聞いてくれないということである.このような不満が出るのは医師が忙し過ぎるだけでなく,本来持っているべき患者とのコミュニケーションの技術を医師が身に付けていないことも関係していると考えられる.

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編集室より

著者:

ページ範囲:P.954 - P.954

●ある院長先生のご厚意で,研修医の先生方とともに外来診療を見学する機会をいただきました.印象深かったのは,数人の男性が「下痢が続きます.ストレスでしょうか」と口にしたこと.従来はストレスといえば「胃が痛い」が定番の表現でしたが,「腸に影響する」が市民権を得てきたようです.

●今月の特集では,実際に増加している機能性腸疾患と炎症性腸疾患を網羅していただきました.病態の解明が進み,治療法が発展し,疾患を抱えながらも患者は長生きできるようになりました.とはいえ手放しで喜べることばかりではなく,治療法の選択や癌化など新たな課題も生じています.ある課題を解明し克服すると,次の課題が待ち受ける.諦めずに続けられる医学の挑戦は,患者の希望です.

基本情報

medicina

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1189

印刷版ISSN 0025-7699

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