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文献詳細

雑誌文献

medicina45巻5号

2008年05月発行

文献概要

連載 聖路加Common Diseaseカンファレンス・14

―循環器内科編―心房細動の管理のしかた

著者: 神野泰1 西原崇創1

所属機関: 1聖路加国際病院 循環器内科

ページ範囲:P.913 - P.917

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心房細動の基礎知識  まずはここを押さえよう
①本邦における心房細動の有病率は,種々の調査で60歳台までは1%未満であるが,80歳以上では約3%とされる.米国の2/3程度ではあるものの,心房細動は無症候性の場合も多く,実際にはさらに頻度が高い可能性がある.特に,高齢者では多くみられる不整脈である.
②心房細動は,ACC/AHA/ESC2006年度版ガイドライン1)において,持続時間の面から次のように分類される.

 ●発作性:7日以内に自然停止するもの(多くは24時間以内に自然停止)

 ●持続性:7日以上経って自然に停止するもの.薬物や直流通電による除細動が可能なもの.

 ●永続性:1年以上持続するもの.薬物や除細動では洞調律の維持が図れないもの.

 ●孤立性:器質的心疾患の合併しないもの.
③基本的にはレートコントロールもしくはリズムコントロールに加え,抗凝固療法の組み合わせが治療手段になるが,単に心房細動といっても持続時間や基礎疾患,年齢などによって多様な集団を含んでいる.また自覚症状の改善,塞栓症予防,心機能の改善・維持などのいずれを重視して治療するかもポイントであり,それぞれの患者背景に応じて適切な治療選択を行う必要性がある.

参考文献

1)Fuster V, Ryden LE, Cannon DS, et al:ACC/AHA/ESC 2006 guidelines for the management of patients with atrial fibrillation:Executive summary. Circulation 114:700-752, 2006
2)Wyse DG, et al;Atrial Fibrillation Follow-up Investigation of Rhythm Management (AFFIRM) Investigators:A comparison of rate control and rhythm control in patients with atrial fibrillation. N Engl J Med 347:1825-1833, 2002
3)循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2002-2003年度合同研究班報告).不整脈薬物治療に関するガイドライン.Circ J 68(suppl IV):981-1053,2004.
4)Sato H, et al;Japan Atrial Fibrillation Stroke Trial Group:Low-dose aspirin for prevention of stroke in low-risk patients with atrial fibrillation;Japan Atrial Fibrillation Stroke Trial. Stroke 37:447-451, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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