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連載 聖路加Common Diseaseカンファレンス・14
―循環器内科編―心房細動の管理のしかた
著者: 神野泰1 西原崇創1
所属機関: 1聖路加国際病院 循環器内科
ページ範囲:P.913 - P.917
文献購入ページに移動①本邦における心房細動の有病率は,種々の調査で60歳台までは1%未満であるが,80歳以上では約3%とされる.米国の2/3程度ではあるものの,心房細動は無症候性の場合も多く,実際にはさらに頻度が高い可能性がある.特に,高齢者では多くみられる不整脈である.
②心房細動は,ACC/AHA/ESC2006年度版ガイドライン1)において,持続時間の面から次のように分類される.
●発作性:7日以内に自然停止するもの(多くは24時間以内に自然停止)
●持続性:7日以上経って自然に停止するもの.薬物や直流通電による除細動が可能なもの.
●永続性:1年以上持続するもの.薬物や除細動では洞調律の維持が図れないもの.
●孤立性:器質的心疾患の合併しないもの.
③基本的にはレートコントロールもしくはリズムコントロールに加え,抗凝固療法の組み合わせが治療手段になるが,単に心房細動といっても持続時間や基礎疾患,年齢などによって多様な集団を含んでいる.また自覚症状の改善,塞栓症予防,心機能の改善・維持などのいずれを重視して治療するかもポイントであり,それぞれの患者背景に応じて適切な治療選択を行う必要性がある.
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