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文献詳細

雑誌文献

medicina45巻7号

2008年07月発行

文献概要

今月の主題 主治医として診る後期高齢者 後期高齢者における診断と治療のポイント

高齢者と集中治療―高齢者をICUで治療することの是非

著者: 金城紀与史1

所属機関: 1沖縄県立中部病院総合内科

ページ範囲:P.1186 - P.1191

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ポイント

●予後が若年に比べて不良である,治療してもQOLが低い,高齢者自身は集中治療を望んでいないというエビデンスは乏しい.

●家族が本人の意向を100%反映できるとは限らないが,それでも家族の意向を尊重することを患者は望んでいる.

●高齢予後不良患者に集中治療を施さなければ医療費削減ができるというエビデンスは乏しい.

●無益(futility)という概念で,患者・家族の希望を無視して集中治療を拒絶することは問題が多い.

●致死的になりうる慢性疾患をもつ患者と事前に集中治療などについての希望を聞くことは重要である.しかし,リビングウィルが高齢者医療費削減の切り札にはならないだろう.

参考文献

1Carson SS:The epidemiology of critical illness in the elderly. Crit Care Clin 19:605‐617, 2003
2)Luce JM, Rubenfeld GD:Can Health Care Costs Be Reduced by Limiting Intensive Care at the End of Life? Am J Respir Crit Care Med 165:750‐754, 2002
3)Luce JM, White DB:The Pressure to Withhold or Withdraw Life‐sustaining Therapy from Critically Ill Patients in the United States. Am J Respir Crit Care Med 175:1104‐1108, 2007
4)厚生労働省:終末期に関する調査等検討会報告書(2004年7月),http://www‐bm.mhlw.go.jp/shingi/2004/07/s0723‐8.html#mokuji
5)Curtis JR, Rubenfeld GD:Managing Death in the Intensive Care Unit;The Transition from Cure to Comfort, Oxford University Press, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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