文献詳細
文献概要
今月の主題 主治医として診る後期高齢者 主治医として知っておきたい後期高齢者の医療と生活
Advanced Directive(事前指示書)とLiving Will(生前遺書)
著者: 田中まゆみ1
所属機関: 1聖路加国際病院一般内科
ページ範囲:P.1308 - P.1313
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●医療者には,患者本人の意思を家族の意向よりも尊重する倫理的義務がある.
●日本では,家族優先の特殊な医療文化が横行しており,終末期医療における法も整備されていないため,後期高齢者の主治医になった医師は,遅かれ早かれ,終末期医療の医療現場で倫理的ジレンマに直面すると予想される.
●このような日本の特殊性から,終末期医療の準備は早目に開始することが推奨される.
●患者本人に判断力があるうちに,終末期医療について説明し,医療内容について具体的な指示(Living Will)を文書化する.
●患者が自分で意思表示できなくなったとき,「患者の意思の最善の推量」を行う「医療代理人」をあらかじめ指名してもらい,文書化する.
●医療者には,患者本人の意思を家族の意向よりも尊重する倫理的義務がある.
●日本では,家族優先の特殊な医療文化が横行しており,終末期医療における法も整備されていないため,後期高齢者の主治医になった医師は,遅かれ早かれ,終末期医療の医療現場で倫理的ジレンマに直面すると予想される.
●このような日本の特殊性から,終末期医療の準備は早目に開始することが推奨される.
●患者本人に判断力があるうちに,終末期医療について説明し,医療内容について具体的な指示(Living Will)を文書化する.
●患者が自分で意思表示できなくなったとき,「患者の意思の最善の推量」を行う「医療代理人」をあらかじめ指名してもらい,文書化する.
参考文献
1)星野一正:リビング・ウイル.日医会誌 128:82-83,2002
2)Vezzoni C:The legal status of treatment directives:an international survey. The legal status and social practice of treatment directives in the Netherlands. Dissertations of University of Groningen, 2005(フランスは2005年に法制定した)
3)第5回社会保障審議会 後期高齢者医療の在り方に関する特別部会(2006年12月12日)資料1
4)塚本泰司:安楽死と尊厳死,宇津木伸・塚本泰司(編):現代医療のスペクトル フォーラム医事法学I,p329,尚学社,2001
5)最近では,米国のシャイボ事件が記憶に新しい.Quill T:Teri Shiavo―A Tragedy Compounded. N Engl J Med 352:1630-1633,2005
6)厚生労働省:終末期医療の決定プロセスのあり方に関するガイドライン. http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/05/dl/s0521-11a.pdf
7)日本医師会:終末期医療に関するガイドラインについて http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20080227 1.pdf
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