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文献詳細

雑誌文献

medicina45巻9号

2008年09月発行

文献概要

今月の主題 Multiple problemsの治療戦略 内科診療におけるmultiple problems 【薬物投与のジレンマ】

GERD治療中の患者への降圧薬投与時の配慮

著者: 福島豊実1

所属機関: 1東京衛生病院内科

ページ範囲:P.1614 - P.1617

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ポイント

●近年,逆流性食道炎(GERD)は,本邦でも広く認識されるようになり,GERDの診断のもとに治療を継続されている患者が増えている.その多くは降圧薬も同時に服用していることがある.

●特にカルシウムチャネル拮抗薬(CCB)は,本邦において最も頻繁に用いられている降圧薬であり,下部食道括約筋圧(LES)を減少することが知られており,GERD症状を悪化させる可能性がある.硝酸塩(nitrate)とα1遮断薬でも同様の傾向が報告されている.

●GERDの治療において,症状コントロールをより良好なものとするためには,患者が服用している降圧薬の内容と種類を確認し,変更の必要度を検討すべきであり,GERD患者に降圧薬を開始する場合には,GERD症状を悪化させない選択肢を検討することが望ましい.

参考文献

1)GERD研究会(編),本郷道夫(監修):GERDガイドライン策定に向けて,ヴァンメディカル,2007
2)Mori H, et al:Current status of antihypertensive prescription and associated blood pressure control in Japan. Hypertens Res 29:143-151, 2006
3)Chow SL, et al:Acid-suppressive therapy use associated with antihypertensive agents. J Clin Pharmacol 41:750-756, 2001
4)Kahrilas PJ:Clinical manifestations and diagnosis of gastroesophageal reflux in adults, Talley NJ (section ed), Bonis PAL (deputy ed):Up To Date, 2008
5)Kahrilas PJ:Medical management of gastroesophageal reflux disease in adults, Talley NJ (section ed), Bonis PAL (deputy ed):Up To Date, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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