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連載 市中感染症診療の思考プロセス IDATEN感染症セミナーより・6
骨・関節・軟部組織感染症のマネジメント
著者: 岩田健太郎1
所属機関: 1神戸大学 感染症内科
ページ範囲:P.1704 - P.1707
文献購入ページに移動現病歴 30年来の関節リウマチにてNSAIDs,プレドニゾロン10mg内服中の64歳の女性.10年前に両膝人工関節置換術を施行されている.4日前に右肘に擦過傷ができ,自宅で消毒して様子をみていたが軽快せず前日から発赤,腫脹・熱感を伴い40℃の高熱を訴え救急外来を受診した.患部は発赤著明で圧痛があった.薬物アレルギーはない.
身体所見 体温38.6℃,心拍数120,呼吸数20,血圧110/70.全身状態:肘を触ると痛がる,頭目耳鼻喉:特に問題なし,頸部:問題なし,心臓:I,II音正常,雑音なし,胸部:肺胞呼吸音,腹部:肥満・軟,腫瘤なし,四肢:右肘に10cm程度の範囲で腫脹した紅斑を伴う皮疹,リンパ節:触知せず.
検査データ 白血球12,200/μl(好中球50%,桿状球42%,リンパ球7%,単球1%).創からの浸出液グラム染色でグラム陽性球菌.関節液所見:白血球32,500/μl(好中球95%,リンパ球4%,その他1%),結晶なし,グラム染色:グラム陽性球菌あり,ブドウ球菌様の形態.
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