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書評
小児科研修の素朴な疑問に答えます
著者: 別所文雄1
所属機関: 1杏林大学医学部小児科
ページ範囲:P.1640 - P.1640
文献購入ページに移動 大変おもしろく有意義な本が出た.物事の進歩は疑問を発することから始まる.特に,科学の領域ではどのような疑問を発するかは,その疑問に対する回答を得ること以上に大切で,優れた疑問を持つことが優れた科学者の資質である.基礎医学ばかりでなく,臨床医学も科学である.日々の診療行為も,「なぜ」という質問を発することの連続であり,適切な「なぜ」を発することが優れた臨床家の条件である.
さて,この本はこのような臨床医学における疑問と,それに対する回答を集めたものである.本のタイトルは,「素朴な疑問に答えます」であり,またその頭に「小児科研修の」という形容句がつけられている.ところが,ちょっと中身を見てみればわかるようにこの表題は「うそ」である.挙げられている疑問は「素朴」などではないし,ここにあるような多くの疑問は,それを発するためには研修も相当進んだ段階にならなければ不可能である.ただ,「研修」といっても必ずしも初期研修や,後期研修だけを指すわけではなく,「生涯研修」ということもあるので,この形容句については必ずしも「うそ」だとは言い切れないが.
さて,この本はこのような臨床医学における疑問と,それに対する回答を集めたものである.本のタイトルは,「素朴な疑問に答えます」であり,またその頭に「小児科研修の」という形容句がつけられている.ところが,ちょっと中身を見てみればわかるようにこの表題は「うそ」である.挙げられている疑問は「素朴」などではないし,ここにあるような多くの疑問は,それを発するためには研修も相当進んだ段階にならなければ不可能である.ただ,「研修」といっても必ずしも初期研修や,後期研修だけを指すわけではなく,「生涯研修」ということもあるので,この形容句については必ずしも「うそ」だとは言い切れないが.
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