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書評
心臓病の診かた・聴きかた・話しかた―症例で学ぶ診断へのアプローチ フリーアクセス
著者: 宮崎俊一1
所属機関: 1近畿大学・循環器内科学
ページ範囲:P.1581 - P.1581
文献概要
本書は心臓病について架空の医学生および研修医(メディック)をシミュレートして心臓疾患について質疑応答を行うことで,病態,ベッドサイドでの診療,検査法,治療を学んでいくという形式で書かれている.つまりオムニバス形式なので最初から読む必要はない.読者のレベルや関心の度合いによって適当な箇所から読み始めてよいのである.記述されている内容はベッドサイドでの診療を想定して書かれているので,基本的事項が中心となっている.つまり,循環器専門医を志す若い医師または医学生を対象とした書籍内容ということができる.ところが実際に読んでみると髙階先生の哲学である“実践的”な精神が発揮されており,ベテラン循環器専門医にとっても役に立つ情報が随所に出てくる.このため,本書はむしろ臨床の現場で患者さんと向き合っている先生方の役に立つのではないかと思う.研修医と一人前の臨床医の双方にお薦めしたい書籍である.
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