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今月の主題 脳卒中の征圧をめざして 明日の脳卒中:7つの課題と展望
無症候性脳血管障害への対応
著者: 髙橋愼一1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部神経内科
ページ範囲:P.1841 - P.1846
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●無症候性脳梗塞は将来の脳卒中のリスクファクターである.その進展には高血圧の関与が大きく,厳格な血圧コントロールが必要である.降圧薬として,Caチャネル遮断薬,ACE阻害薬,ARBなどが推奨される.抗血小板薬の必要性は個別に判断する.
●無症候性白質病変の多くは高血圧を背景とした虚血性病変である.脳卒中,認知症への進展予防のための血圧コントロールが重要である.
●無症候性脳出血はMRIのT2*強調画像で認められるmicrobleedsによって診断する.将来の脳出血のリスクが高く,抗血小板薬の投与は慎重に行う.
●無症候性頸部頸動脈狭窄または閉塞に対しては,抗血小板薬やスタチンの内服に加えて,高度狭窄の場合には頸動脈内膜剥離術(CEA),ステント留置術(CAS)の適応を判断する.
●無症候性頭蓋内主幹動脈狭窄または閉塞の治療についての十分なエビデンスはないが,アスピリンとシロスタゾールの併用療法により血管狭窄の改善効果が報告されている.さらに,適切な降圧は病変血管支配領域の将来の虚血性イベントを抑制する可能性が高い.
●無症候性脳梗塞は将来の脳卒中のリスクファクターである.その進展には高血圧の関与が大きく,厳格な血圧コントロールが必要である.降圧薬として,Caチャネル遮断薬,ACE阻害薬,ARBなどが推奨される.抗血小板薬の必要性は個別に判断する.
●無症候性白質病変の多くは高血圧を背景とした虚血性病変である.脳卒中,認知症への進展予防のための血圧コントロールが重要である.
●無症候性脳出血はMRIのT2*強調画像で認められるmicrobleedsによって診断する.将来の脳出血のリスクが高く,抗血小板薬の投与は慎重に行う.
●無症候性頸部頸動脈狭窄または閉塞に対しては,抗血小板薬やスタチンの内服に加えて,高度狭窄の場合には頸動脈内膜剥離術(CEA),ステント留置術(CAS)の適応を判断する.
●無症候性頭蓋内主幹動脈狭窄または閉塞の治療についての十分なエビデンスはないが,アスピリンとシロスタゾールの併用療法により血管狭窄の改善効果が報告されている.さらに,適切な降圧は病変血管支配領域の将来の虚血性イベントを抑制する可能性が高い.
参考文献
1)澤田 徹:無症候性脳血管障害とは―その定義と診断基準―.日内会誌86:725-732, 1997
2)日本脳ドック学会 脳ドックの新ガイドライン作成委員会:脳ドックのガイドライン,改訂・第3版,pp44-52,響文社,2008
3)日本高血圧学会 高血圧治療ガイドライン作成委員会:高血圧治療ガイドライン2009, pp46-49, ライフサイエンス出版,2009
4)循環器病の診断と治療に関するガイドライン2006―2007年度合同研究班報告/心房細動治療(薬物)ガイドライン(2008年改訂版). Circ J 72(Suppl. IV):1581-1638, 2008
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