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文献詳細

雑誌文献

medicina46巻11号

2009年11月発行

文献概要

連載 外来診療に差をつけるコミュニケーションスキル・2

オープニング:第一印象が肝心!

著者: 菅野圭一1

所属機関: 1渋川市国民健康保険赤城北診療所

ページ範囲:P.1898 - P.1902

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事例紹介:緊張気味の初診患者さん

 今日は初診の担当.診察室のいすに座ったまま,「どうぞお入りください」と声をかけ最初の患者さんを呼び入れる.患者さんは,緊張した面持ちの年配の女性.すぐいすに座っていただき,カルテの名前と相違がないか確認してから,自分の名字を名乗る.やはりかなり緊張しているようで,表情も硬く,軽くうなずくだけで返事は返ってこない.

 緊張をほぐして話がスムーズにできるように,「そんなに硬くなんなくっていいんダヨ」と砕けた口調で言葉をかけるが,これが逆に緊張を与えてしまったようだ.「しまった!」と思いながら,よい案も浮かばず,「さて,今日はどうしましたか?」と気を取り直して診察を開始する.しかし,患者さんから出てくる言葉は「はあ」「ええと,胸のあたりがちょっと……」と途切れ途切れで,さっぱり要領を得ない.詳しい経過を話してもらおうと,言語的コミュニケーションスキルを駆使して躍起になるが,焦れば焦るほどこちらの緊張も高まってしまい,スムーズに診察が進まなくなってしまった.

 時間ばかりが過ぎていく……

参考文献

1)松村真司・箕輪良行(編):コミュニケーションスキルトレーニング―患者満足度の向上と効果的な診療のために,医学書院,2007
2)岸本暢将・篠浦丞:外来診療コミュニケーションが劇的にうまくなる方法―クレームから学ぶ患者満足度を高める接し方・話し方,羊土社,2008
3)Makoul G, et al:An evidence-based perspective on greetings in medical encounters. Arch Intern Med 167:1172-1176, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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