icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina46巻12号

2009年11月発行

文献概要

特集 CT・MRIアトラス Update―正常解剖と読影のポイント 脳 各論

基底核・視床

著者: 井田正博1 日野圭子1 萬直哉1 菅原俊祐1 久保優子1 川口祐子1

所属機関: 1荏原病院放射線科

ページ範囲:P.33 - P.43

文献購入ページに移動
■基底核

 「大脳基底核(basal ganglia)」とは終脳の深部灰白質で,前脳基底部の線条体(striatum)〔尾状核(caudate nucleus)と被殻(putamen)〕と淡蒼球(globus pallidus),間脳の視床下核(subthalamic nucleus)および中脳の黒質(substantia nigra)からなる(図1).「中心灰白質(central gray matter)」は,これら基底核と間脳の視床を含める(視床は大脳基底核には含まれない注釈1, 21).基底核は大脳皮質や視床と相互の神経回路を形成し,運動の調節機能(興奮と抑制)を司る〔錐体外路系(extra pyramidal tract)〕.その障害は①運動低下をきたすParkinson病や,②振戦,アテトーゼなどの不随意運動の原因となる.

 視床は間脳由来の中心灰白質で,大脳基底核には含まれない.ただし,大脳皮質や基底核と密な神経線維連絡があり,大脳皮質-基底核-視床-大脳皮質のフィードバックループを形成する(直接経路,間接経路;後述図4)2).視床の外側腹側核,前腹側核,背側内側核は運動のコントロールに関連する.その他,感覚,記憶,情動,眼球運動などの多くの機能を中継,連合する.

参考文献

1)日向野修一:基底核,間脳.高橋昭喜(編):脳MRI 1.正常解剖,pp 62-90,秀潤社,2005
2)FitzGerald MJT, Folan-Curran J:Clinical Neuroanatomy and Clinical Neuroscience, WB Saunders and Elsevier Science, 2002
3)Sasaki M, et al:Neuromelanin magnetic resonance imaging of locus ceruleus and substantia nigra in Parkinson's disease. NeuroReport 17:1215-1218, 2006
4)寺田一志:両側基底核対称性の病変.土屋一洋,他(編):所見からせまる脳MRI,秀潤社,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?