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特集 CT・MRIアトラス Update―正常解剖と読影のポイント 胸部 総論
読影の基本とポイント
著者: 村田喜代史1
所属機関: 1滋賀医科大学放射線医学講座
ページ範囲:P.152 - P.155
文献購入ページに移動胸部における画像診断法の選択の指針
胸部は単純X線写真が依然として重要な役割を占める数少ない領域の1つである.簡便性やX線被曝量の低さに加えて,胸部全体の変化を概観できる利点をもつが,精密な形態診断は断層像であるCTが中心になる.要は,X線写真とCTを組み合わせながら,いかに最小のX線被曝で,最大の情報を得るかを考えることが重要ということになる.なお,現時点では,胸部MRIはCTを補足する役割と位置づけられる.
胸部CTでは,通常,肺野条件と縦隔条件の画像シリーズが再構成されるので,全スライスを正常構造の連続性に注意しながらレビューして,肺野あるいは縦隔胸壁内の異常をとらえる.肺野の病変の有無をとらえるだけなら,5~7mm厚の通常CTでも可能であるが,びまん性肺疾患で肺二次小葉レベルの精密形態診断を行うためには,1~2mm厚の高分解能CT(high-resolution computed tomography:HRCT)が必要である.また,肺癌の形態診断も通常HRCTを用いて行われる.
胸部は単純X線写真が依然として重要な役割を占める数少ない領域の1つである.簡便性やX線被曝量の低さに加えて,胸部全体の変化を概観できる利点をもつが,精密な形態診断は断層像であるCTが中心になる.要は,X線写真とCTを組み合わせながら,いかに最小のX線被曝で,最大の情報を得るかを考えることが重要ということになる.なお,現時点では,胸部MRIはCTを補足する役割と位置づけられる.
胸部CTでは,通常,肺野条件と縦隔条件の画像シリーズが再構成されるので,全スライスを正常構造の連続性に注意しながらレビューして,肺野あるいは縦隔胸壁内の異常をとらえる.肺野の病変の有無をとらえるだけなら,5~7mm厚の通常CTでも可能であるが,びまん性肺疾患で肺二次小葉レベルの精密形態診断を行うためには,1~2mm厚の高分解能CT(high-resolution computed tomography:HRCT)が必要である.また,肺癌の形態診断も通常HRCTを用いて行われる.
参考文献
1)村田喜代史,上甲 剛,池添潤平(編):胸部のCT,第2版.メディカル・サイエンス・インターナショナル,2004
2)McLoud TC,蜂屋順一(訳):胸部の画像診断.メディカル・サイエンス・インターナショナル,2001
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