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文献詳細

雑誌文献

medicina46巻12号

2009年11月発行

文献概要

特集 CT・MRIアトラス Update―正常解剖と読影のポイント 胸部 各論

胸膜

著者: 負門克典1

所属機関: 1聖路加国際病院放射線科

ページ範囲:P.196 - P.202

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正常解剖と画像

●正常解剖

 胸膜は薄い漿膜で,肺を覆う臓側胸膜と胸壁内面・縦隔・横隔膜を覆う壁側胸膜の2つからなり,両者は肺門を介して連続的に移行している.胸膜で囲まれたスペースが胸腔であり,内部に肺を格納する.正常の状態では,臓側胸膜で覆われた肺が入り込めない閉鎖腔が肋骨横隔膜陥凹(costodiaphragmatic recess)尾側に存在しており,同部では壁側胸膜同士が接することになる.胸部単純X線撮影で認識される肋骨横隔膜角とは肺下端に対応しており,胸腔は閉鎖腔としてさらにその下方まで伸びていることを忘れてはならない.

 肺門下部では臓側胸膜と壁側胸膜が飜転して肺靱帯が形成されており,これにより肺下葉は縦隔側に固定されている.前後方向に2枚の胸膜が存在する索状の狭い間隙にはリンパ組織(肺癌取扱い規約の#9肺靱帯リンパ節)と結合織がはさまっている.

参考文献

1)Kubik S:Thoracic cavity:Surgical Anatomy of the Thorax. pp52-73, WB Saunders, Philadelphia, 1970
2)Kuhlman JE, Singha NK:Complex disease of the pleural space;Radiographic and CT evaluation. RadioGraphics 17:63-79, 1997
3)篠崎健史,他:アスベスト関連良性胸膜病変の画像診断―胸膜プラークとピットフォール.画像診断27:31-40,2007
4)Dynes MC, et al:Imaging manifestations of pleural tumors. RadioGraphics 12:1191-1201, 1992

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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