icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina46巻12号

2009年11月発行

文献概要

特集 CT・MRIアトラス Update―正常解剖と読影のポイント 胸部 各論

胸部の大血管:大動脈弓と大静脈

著者: 岡田宗正1 松永尚文1

所属機関: 1山口大学大学院医学系研究科放射線医学

ページ範囲:P.221 - P.231

文献購入ページに移動
胸部の大動脈

●発生異常

 胎児の大動脈は,左右1対の背側大動脈(dorsal aorta)で,背側大動脈弓は第1大動脈弓を形成し,腹側大動脈(ventral aorta)へ移行する.左右の腹側大動脈は合流し,大動脈囊(aortic sac)を形成する.以後,鰓弓の発生に伴い腹側大動脈と背側大動脈との間に左右6対の大動脈弓が異時的に形成されるが,最終的には正常の大動脈弓は左第4弓と連続する背側大動脈からなり,第3弓は両側頸動脈,右第4弓は腕頭動脈および右鎖骨下動脈起始部,第6弓は肺動脈となり,左大動脈弓が正常の形態となる.

 大動脈弓の発生異常は,Edwardsの模式図“仮想両側大動脈弓両側動脈管(hypothetic double aortic arch with bilateral ducti arteriosi)”という概念から(図1),吸収および残存形態から種々の大動脈弓異常が説明される1)

 先天性大動脈異常の分類には,①大動脈弓の位置(右側,左側または両側),②上部下行大動脈の位置(右側または左側),③動脈管の位置(右側か左側),④弓部分枝の分岐パターンにより,以下のように分類される.

参考文献

1)Shuford WH, Sybers RG:The aortic arch and its malformation. Shuford WH, et al (eds):Right aortic arch, pp52-68, Charles C. Thomas, Springfield, IL, 1974
2)林 邦昭,松永尚文:大動脈弓とその分岐の奇形.放射線医学大系13 心疾患Ⅲ大動脈疾患,pp181-196,中山書店,1988
3)松井義親,他:右側大動脈弓(右大動脈弓).別冊日本臨牀領域別症候群13 循環器症候群Ⅱ,pp55-58,日本臨牀社,1996
4)中沢 誠:大動脈縮窄複合 先天性心疾患,pp100-107,メジカルビュー社,1996
5)星野俊一,他:左上大静脈遺残症.別冊日本臨牀 領域別症候群シリーズ13 循環器症候群Ⅱ,pp327-329,日本臨牀社,1996
6)高山眞一,他:下大静脈欠損症.別冊日本臨牀 領域別症候群13循環器症候群,pp63-66,日本臨牀社,1996
7)山口昻一,他:下大静脈欠損症7例について.臨放15:94-105,1970

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?