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特集 CT・MRIアトラス Update―正常解剖と読影のポイント 胸部 各論
胸部の大血管:大動脈弓と大静脈
著者: 岡田宗正1 松永尚文1
所属機関: 1山口大学大学院医学系研究科放射線医学
ページ範囲:P.221 - P.231
文献購入ページに移動●発生異常
胎児の大動脈は,左右1対の背側大動脈(dorsal aorta)で,背側大動脈弓は第1大動脈弓を形成し,腹側大動脈(ventral aorta)へ移行する.左右の腹側大動脈は合流し,大動脈囊(aortic sac)を形成する.以後,鰓弓の発生に伴い腹側大動脈と背側大動脈との間に左右6対の大動脈弓が異時的に形成されるが,最終的には正常の大動脈弓は左第4弓と連続する背側大動脈からなり,第3弓は両側頸動脈,右第4弓は腕頭動脈および右鎖骨下動脈起始部,第6弓は肺動脈となり,左大動脈弓が正常の形態となる.
大動脈弓の発生異常は,Edwardsの模式図“仮想両側大動脈弓両側動脈管(hypothetic double aortic arch with bilateral ducti arteriosi)”という概念から(図1),吸収および残存形態から種々の大動脈弓異常が説明される1).
先天性大動脈異常の分類には,①大動脈弓の位置(右側,左側または両側),②上部下行大動脈の位置(右側または左側),③動脈管の位置(右側か左側),④弓部分枝の分岐パターンにより,以下のように分類される.
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