icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina46巻12号

2009年11月発行

文献概要

特集 CT・MRIアトラス Update―正常解剖と読影のポイント 腹部 各論

卵巣

著者: 田村綾子1

所属機関: 1お茶の水駿河台クリニック放射線科

ページ範囲:P.347 - P.357

文献購入ページに移動
正常解剖

●解剖

 卵巣は子宮の両側に1つずつ認められる.卵巣窩は外腸骨動静脈の腹側,尿管の背側に位置する.卵巣は卵巣固有索,卵巣提索,卵巣間膜により支持されている.子宮広間膜の背側で,子宮角の卵管付着部に卵巣固有索(ovarian ligament)によって付着する.広間膜は外側で卵巣提索(suspensory ligament)となって骨盤壁に達し,卵巣を保持する.卵巣動静脈や神経はここを通る.卵巣間膜(mesovarium)は卵巣腹側を覆う二重の腹膜で,卵巣前縁から広間膜後葉に連続する.卵巣間膜の卵巣への付着部が卵巣門であり,血管と神経,リンパ管が通る.卵巣門以外の卵巣表面は腹腔に露出している.

 卵巣は大動脈から直接分枝する卵巣動脈,子宮動脈卵巣枝の2つの動脈血流が流入する.卵巣動脈と子宮動脈は卵巣間膜内で吻合する.卵巣静脈は動脈に伴走する.広間膜内で子宮静脈と吻合し,右卵巣静脈は下大静脈へ,左卵巣静脈は左腎静脈へ流入する.

 卵巣は卵胞を含む表層部の皮質と血管の豊富な中心部の髄質からなり,白膜に覆われる.皮質には卵胞のほかに豊富な間質も含む.生殖可能年齢では皮質が大部分を占める.

参考文献

1)今岡いずみ,田中優美子:婦人科MRIアトラス.秀潤社,2004
2)Hricak H:Diagnostic Imaging;Gynecology. Amirsys, Salt Lake City, 2007
3)Imaoka I, et al:Developing an MR Imaging Strategy for Diagnosis of Ovarian Masses. RadioGraphics 26:1431-1448, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?