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文献詳細

雑誌文献

medicina46巻12号

2009年11月発行

文献概要

特集 CT・MRIアトラス Update―正常解剖と読影のポイント 腹部 各論

腹壁・骨盤壁

著者: 吉松俊治1 浅尾千秋1

所属機関: 1熊本医療センター放射線科

ページ範囲:P.365 - P.370

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正常解剖

 腹壁を構成する浅腹筋には外側群の側腹筋と内側群の前腹筋がある.前腹筋には前腹壁の正中部に左右の腹直筋があり,恥骨からでて白線内に入り込む小さい錐体筋がある.側腹筋は浅層より外腹斜筋,内腹斜筋,腹横筋の3層の筋群よりなり,上中腹部では脂肪により3層の分離は良好であるが,下腹部では分離が不良となる.

 側腹筋はその広い面状をなす腱膜で両側の腹直筋を包み,固有の結合組織である腹直筋鞘を形成する.腹直筋上部中部では,外腹斜筋腱膜は腹直筋鞘前葉を,内腹斜筋腱膜は前後に分かれて前葉と後葉を,腹横筋腱膜は腹直筋鞘後葉を形成する.臍輪より数cm下方の腹直筋下部では,側腹筋腱膜はすべて腹直筋鞘前葉を形成し,後葉は欠如する.腹直筋鞘後葉の消失する部分が弓状線である(図1).

参考文献

1)相磯貞和(訳):ネッター解剖学アトラス.pp 240-259,南江堂,2004
2)佐藤達夫,坂井建雄(監訳):臨床医のための解剖学.pp 194-225,メディカル・サイエンス・インターナショナル,2008
3)荒木 力:ヘルニア,ここまでわかる急性腹症のCT.pp 2-30,メディカル・サイエンス・インターナショナル,2002
4)河野哲夫,他:閉鎖孔ヘルニア―最近6年間の本邦報告257例の集計検討.日臨外会誌63:1847-1852,2002
5)斉藤哲雄,他:閉鎖孔ヘルニア7例におけるCT所見の検討.臨放52:1231-1235,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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