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文献詳細

雑誌文献

medicina46巻13号

2009年12月発行

連載 外来診療に差をつけるコミュニケーションスキル・3

傾聴は人のためならず:スムーズな診療のために

著者: 菅野圭一1

所属機関: 1渋川市国民健康保険赤城北診療所

ページ範囲:P.2085 - P.2089

文献概要

事例紹介●忙しい時に突然来院した話の長い患者さん

 今日は午後から講演会に出かける予定があり,午前中の外来を早めに終了させなければならない.運よく初診や救急の患者さんも少なく,順調に外来は進行していった.11時30分には,患者さんもあと3人しか残っておらず,そろそろ終わりが見えてきた.

 ところがそんな時,いつも訴えが多く,話が長くなりやすいAさんが,予約外で「明日飲む薬がない」と慌てて外来に駆け込んできた.いつもなら諦めてじっくり話を聞くところだが,そうすると講演会に間に合わないかもしれない.そんなふうに思ったら焦ってしまい,つい話が途切れたところで患者さんの話を遮って,「お話からすると,いつもとあまり変わらないようだから,同じ薬を出しておきますね」と切り出してしまった.すると,「そう言えば,今の薬はずっと飲み続けても大丈夫かしら?」「最近,指のしびれも心配だし……」と,いつにも増していろいろな相談事が出てきてしまった.

 どうにか講演会にはぎりぎり間に合ったが……

参考文献

1)和座一弘:患者満足度と医師のコミュニケーションスキル.medicina 46:1716-1720, 2009
2)松村真司・箕輪良行(編):コミュニケーションスキルトレーニング―患者満足度の向上と効果的な診療のために,医学書院,2007
3)Cape J:Consultation length, patient-estimated consultation length, and satisfaction with the consultation. Br J Gen Pract 52:1004-1006,2002
4)Langewitz W, et al:Spontaneous talking time at start of consultation in outpatient clinic;Cohort study. BMJ 325:682-683,2002
5)岸本暢将,篠浦丞:外来診療コミュニケーションが劇的にうまくなる方法―クレームから学ぶ患者満足度を高める接し方・話し方,羊土社,2008
6)Lussier MT, Richard C:Communication tips;Time flies;Patients' perceptions of consultation length and actual duration. Can Fam Physician 53:46-47,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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