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今月の主題 訴え・症状から考える神経所見のとり方 すぐ神経内科にコンサルトしたくなる訴え
「むせます」―神経内科領域での嚥下障害の評価法について
著者: 高橋牧郎1
所属機関: 1財団法人田附興風会北野病院神経センター神経内科
ページ範囲:P.264 - P.267
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●嚥下障害の原因が,①器質性通過障害に伴うものなのか,②神経原性病変があり,嚥下筋の協調運動,麻痺によるものなのかをまず鑑別する必要がある.
●嚥下障害の危険因子として,年齢70歳以上,男性,Barthel Index 60以下,非対称性軟口蓋麻痺,口腔内クリアランス不良,咽頭反射減弱などがある.さらに認知症やパーキンソニズム,意識障害があれば高率に嚥下障害,誤嚥がみられる.
●軟口蓋麻痺,カーテン徴候,gag reflexの有無,舌偏倚に注意する.軟口蓋は中枢での両側性支配を受けており,一側中枢病変では両側性軟口蓋麻痺は顕著でない.
●嚥下障害の評価法としてvideo fluorographyやRSST,リハビリとして氷を用いた嚥下訓練(アイスマッサージなど),薬物治療としてアマンタジン,アンギオテンシン変換酵素阻害薬などがある.
●嚥下障害の原因が,①器質性通過障害に伴うものなのか,②神経原性病変があり,嚥下筋の協調運動,麻痺によるものなのかをまず鑑別する必要がある.
●嚥下障害の危険因子として,年齢70歳以上,男性,Barthel Index 60以下,非対称性軟口蓋麻痺,口腔内クリアランス不良,咽頭反射減弱などがある.さらに認知症やパーキンソニズム,意識障害があれば高率に嚥下障害,誤嚥がみられる.
●軟口蓋麻痺,カーテン徴候,gag reflexの有無,舌偏倚に注意する.軟口蓋は中枢での両側性支配を受けており,一側中枢病変では両側性軟口蓋麻痺は顕著でない.
●嚥下障害の評価法としてvideo fluorographyやRSST,リハビリとして氷を用いた嚥下訓練(アイスマッサージなど),薬物治療としてアマンタジン,アンギオテンシン変換酵素阻害薬などがある.
参考文献
1) 臼井雅宣:神経疾患のリハビリテーション―嚥下訓練,小林祥泰,水澤英洋(編):神経疾患―最新の治療2006-2008,pp. 307-312,南江堂,2006
2) 田崎義昭,斎藤佳雄:ベッドサイドの神経の診かた,改訂16版,南山堂,2004
3) 中嶋 誠・他:脳梗塞急性期の嚥下障害と入院時嚥下評価の意義.環境感染 18:1-5,2003
4) Mann G,Hankey GJ:Initial clinical and demographic predictors of swallowing impairment following acute stroke. Dysphagia 16:208-215,2001
5) Arai T, et al:ACE inhibitors and symptomless dysphagia. Lancet 352:115-116, 1998
6) Nakagawa T,et al:Amantadine and pneumonia. Lancet 353:1157, 1999
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