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文献詳細

雑誌文献

medicina46巻3号

2009年03月発行

文献概要

今月の主題 膵炎のマネジメント―急性膵炎・慢性膵炎・自己免疫性膵炎 膵炎をどう治療するか:慢性膵炎のマネジメントのポイントは?

慢性膵炎の生活指導と栄養管理をどのように行うか?

著者: 片岡慶正1 信田みすみ1

所属機関: 1京都府立医科大学消化器内科学

ページ範囲:P.436 - P.440

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ポイント

●慢性膵炎の生命予後は診断時点の年齢,飲酒継続,疼痛経過,喫煙,糖尿病によって規定される.

●腹痛時あるいは腹痛を繰り返す時期には禁酒と脂肪制限が基本となる.

●アルコール性慢性膵炎では禁酒指導が最重要であるが,ほかの成因の場合でも脂肪食とアルコール摂取が増悪因子となる.

●根気強い食事療法と生活指導が望まれる.特に体重減少~低栄養例では,腹痛による食事摂取量の低下に起因する場合と,進行した膵内外分泌不全による吸収不良や膵性糖尿病に起因する場合があり,個別化病態解析に応じた治療法が重要となる.

●非代償期での栄養管理は荒廃した膵内外分泌不全に対する補充療法,すなわち消化酵素薬とインスリン治療が前提となる.

参考文献

1)Kataoka K:Specialized nutrition support corresponding to pathophysiological changes in acute and chronic pancreatitis. J Kyoto Pref Univ Med 115:625-647,2006
2)丹藤雄介,中村光男:治療.慢性膵炎,下瀬川徹(編):膵疾患へのアプローチ.中外医学社,pp 105-125,2008
3)日本消化器病学会慢性膵炎診療ガイドライン作成委員会:慢性膵炎診療ガイドライン,2009年発刊予定
4)American Gastroenterological Association:American Gastroenterological Association medical position statement;Treatment of pain in chronic pancreatitis. Gastroenterology 115:763-764,1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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