文献詳細
文献概要
書評
内科医のためのうつ病診療―第2版 フリーアクセス
著者: 松村真司1
所属機関: 1松村医院
ページ範囲:P.419 - P.419
文献購入ページに移動著者自身も記しているが,認知症,高血圧,糖尿病などと並び,うつ病は疾患の罹患率とその症状の多彩さ,そのアウトカムの重大さから考えると,専門家のみですべてに対応することは現実的ではない.著者によると,内科医のうつ病診療のレベルが期待された水準にないことが,本書のような啓発書を書くきっかけだったとのことである.確かに,これほどありふれた疾患であるにもかかわらず,卒前・卒後における研修機会は十分とはいえない.精神科医に相談をすることも,地域に出てしまうとなかなか容易ではない.また,地域によっては精神科医の診察のアクセスが悪い場合もあり,その場合には好むと好まざるとに関わらず,非精神科医が治療の相当の部分まで担当せざるを得ない場合もある.できれば専門医に診療してもらいたいと思いながらも,薄氷を踏む思いで診療をしている非専門医はかなりの数に上るのではないだろうか.
掲載誌情報