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文献概要
今月の主題 苦手感染症の克服 コラム
期待される新しい感染症治療薬
著者: 柳秀高1
所属機関: 1東海大学総合内科
ページ範囲:P.578 - P.578
文献購入ページに移動 抗菌薬は一般に,使えば使うほど耐性化し,効かなくなる.適正使用により手持ちの薬の有効期間を少しでも長引かせる努力をすることと,新しい薬剤の開発をバランスよく行う必要がある.しかし,新しい抗菌薬の開発を取り巻く環境は厳しい.一言でいえば,耐性菌は増加しているが,それらを治療するための新しい抗菌薬の開発は枯渇している.抗菌薬は多くの場合2週間程度,骨髄炎などでもせいぜい8週間投与されるのみで,一生投与される糖尿病薬,降圧薬,高脂血症薬などに比べると投資当たりの収益性に劣るため,多くの製薬会社が撤退している分野なのである1).
参考文献
1)BAD BUGS, NO DRUGS. As Antibiotic Discovery Stagnates… A Public Health Crisis Brews. Infectious Disease Society of America. http://www.idsociety.org/WorkArea/showcontent.aspx?id=5554. (Accessed on 2009. 1. 14)
2)Boucher et al:Bad bugs, No Drugs:No ESKAPE! An Update from Infectious Disease Society of America. Clin Infect Dis 48:1-12, 2009
. N Engl J Med 355:653, 2006
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