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ページ範囲:P.1380 - P.1380
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●小学生の頃,校庭に「回転シーソー」なる遊具がありました.高い位置にあるハシゴのような形状のシーソーで,向かい合ってぶら下がり,しゃがんだりジャンプしたりを交互に繰り返すのが初歩的な遊び方.上手に操れるようになると,ブランコを漕いだり鉄棒を回ったりする要領で縦方向へ一回転できるのが,その遊具の醍醐味でした.それぞれの力に応じた遊び方ができる一方で,実力が認められないと高度な技には挑戦できないという暗黙の了解のもと,回転シーソーに興じる日々.ところがある日,突然それは使用禁止に.どうやら,「まだ無理」と止められた子どもが,隠れて難しい技に挑戦して怪我をしたらしい.撤去された遊具の跡地で,「オトナはわかってないなぁ」と,溜息したものです.
●当事者が「デキル」「デキナイ」という実力を互いに認め合っていても,門外漢はその基準がよくわからないために,一律の制限を設けたくなるものなのかもしれません.医療界では,「ガイドライン」や「クリニカルパス」にその役割を求める人が少なくありません.本来は,両者とも医療の質を担保するツールにすぎず,医師の診療を縛るものではないにもかかわらず.