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文献詳細

雑誌文献

medicina46巻9号

2009年09月発行

文献概要

今月の主題 内科医のためのクリニカル・パール―診療のキーポイントと心にのこる症例 総合診療

【心にのこる症例】General Physicianの“明”と“暗”

著者: 安藤大樹12 山中克郎12

所属機関: 1藤田保健衛生大学病院一般内科 2藤田保健衛生大学病院救急総合診療部

ページ範囲:P.1401 - P.1405

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(明)総合診療医,こだわりの勝利!

【症例1】特に既往歴のない60歳,男性.首が痛くて我慢できない

 入院10日前の夕食中,突然右肩から後頸部にかけての痛みが生じ,近医整形外科を受診.頸部X線写真では特に異常を指摘されなかった.翌日も症状が持続したため,当院整形外科を受診し,再度X線写真を撮ったが問題なしと判断され,鎮痛薬を処方されて帰宅.4日後にも症状が続いていたため,神経内科を紹介受診,カルバマゼピン(テグレトール®)を処方され,経過観察となった.しかし,下肢の脱力やふらつき,頻尿,残尿感が出現したため,当院ERに救急搬送された.

 全身状態は比較的よかったが,38℃台の発熱あり.首の側屈により誘発される「首から両手に電気が走るような」後頸部痛あり.その他の身体所見に特記すべきものはなかったが,WBCは22,500/μlと上昇を認めた.救急担当医の診断は頸椎症.ほかの鑑別診断として骨髄炎や椎間板炎を挙げた.あなたの鑑別疾患は?

参考文献

1)Wilson W, et al:Prevention of infective endocarditis:Guidelines from the American Heart Association:A guideline from the American Heart Association Rheumatic Fever, Endocarditis, and Kawasaki Disease Committee, Council on Cardiovascular Disease in the Young, and the Council on Clinical Cardiology, Council on Cardiovascular Surgery and Anesthesia, and the Quality of Care and Outcomes Research Interdisciplinary Working Group. Circulation 116:1736-1754,2007(ここ10年のエビデンスの蓄積をふまえて,感染性心内膜炎の予防投与を根本から見直している)
2)Nakatani S, et al:Current characteristics of infective endocarditis in Japan―An analysis of 848 cases in 2000 and 2001. Circ J 67:901-905, 2003(この文献でも,日本における不必要な抗菌薬投与の弊害が浮き彫りになっている)
3)野口善令,福原俊一:誰も教えてくれなかった診断学.医学書院,2008(非常に学びにくい「診断学」を,わかりやすく解説している.必読!)
4)北川誠一,日野雅之:白血球数の減少.medicina 45:2206-2208, 2008(血液専門外の医師が末梢血の検査異常に出会ったときに役立つ特集が組まれている)
5)米倉修司:急性白血病. 特集・急性疾患とエマージェンシー.救急医学23:1462-1467,1999(比較的なじみの薄い白血病の救急対応についてまとめてある)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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