icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina46巻9号

2009年09月発行

文献概要

今月の主題 内科医のためのクリニカル・パール―診療のキーポイントと心にのこる症例 呼吸器・重症管理

【心にのこる症例】結核か,肺癌か,それとも?

著者: 光石陽一郎1 八重樫牧人2

所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科呼吸器病態学分野 2亀田総合病院総合診療感染症科

ページ範囲:P.1440 - P.1442

文献購入ページに移動
 呼吸器内科という科の性質上,胸部異常陰影で紹介される機会が多い.胸部異常陰影の多くを占める結節・腫瘤陰影の鑑別に必ず挙がってくるのが,原発性肺癌と肺結核である.もちろん,その他多くの疾患の可能性はあるが,頻度の点からこの2つの疾患はしばしば鑑別疾患の上位にくる.生命予後の観点からは肺癌の診断が遅れることはできるだけ避けたいし,空気感染・院内感染の観点からは,肺結核の診断が遅れることは患者だけでなく医療従事者にも多大な影響を与える.

 最近,筆者は両疾患の合併というやや稀な症例を経験した.両者は排他的な疾患ではないこと,そして疑った時点で積極的に侵襲的な検査に踏み切らないと的確な診断をつけられない可能性があることの2点を痛感したので,本稿で取り上げることにした.

参考文献

1)Kurasawa T:The coexistence of pulmonary tuberculosis and lung cancer. Nippon Rinsho 56:3167-3170, 1998
2)Kim YI, et al:Coexisting bronchogenic carcinoma and pulmonary tuberculosis in the same lobe:Radiologic findings and clinical significance. Korean J Radiol 2:138-144, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?