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文献詳細

雑誌文献

medicina46巻9号

2009年09月発行

今月の主題 内科医のためのクリニカル・パール―診療のキーポイントと心にのこる症例

腎臓・酸塩基平衡・水電解質

酸塩基平衡・水電解質・輸液のキーポイント

著者: 藤田芳郎1

所属機関: 1トヨタ記念病院腎・膠原病内科

ページ範囲:P.1500 - P.1502

文献概要

■血清Na濃度は細胞内液量を示すのであって,細胞外液量を示すのではない

 高ナトリウム(Na)血症は細胞内脱水を示し,低Na血症は細胞浮腫を示す,と考えてよい.急性低Na血症(48時間以内にきたしたもので,意識障害などの中枢神経症状のあるもの)では,特に頭蓋骨というほぼ閉じた空間に存在する脳細胞が細胞浮腫をきたし脳ヘルニアの危険を生じるため,速やかに治療を開始すること(初めの数時間は早く,あとはゆっくり)が必要である.慢性低Na血症では,意識障害や頭痛などの中枢神経症状がなければ,急速に治療してはいけない(具体的詳細は文献1参照).

 細胞外液量の評価は医師として訓練を要するものである(文献2参照).

参考文献

1)藤井正満:低Na症および高Na血症の治療.medicina 44:470-474, 2007
2)宮里不二彦:体内の総水分量の分布と細胞外液量の評価.medicina 44:456-459, 2007
3)Ellison DH,et al:The syndrome of inappropriate antidiuresis. N Engl J Med 356:2064-2072, 2007
4)MKSAP14 Neurology:60, 2006
5)渥美宗久:Mg欠乏症と高Mg血症の治療.medicina 44:518-520, 2007.
6)富野竜人:低K血症の治療.medicina 44:480-483, 2007.
7)林 寛之:救急におけるピットフォール.medicina 44:524-526, 2007.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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