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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻10号

2010年10月発行

連載 アレルギー膠原病科×呼吸器内科合同カンファレンス・7

肺CTで説明できない労作時呼吸困難

著者: 岡田正人1 仁多寅彦2

所属機関: 1聖路加国際病院アレルギー膠原病科(成人・小児) 2聖路加国際病院呼吸器内科

ページ範囲:P.1844 - P.1848

文献概要

後期研修医(アレルギー膠原病科) 軽度ですが進行性の労作時呼吸困難を訴えている35歳の女性の患者さんです.半年前に出産し3カ月ほど前から,手のこわばり感を自覚し受診しました.診察上,関節炎はなく,手指から前腕にかけての皮膚硬化が認められ,爪床毛細血管異常もあり全身性硬化症の所見(図1)でした.血液検査(表1)で抗Scl-70抗体が陽性で,皮膚生検でも膠原線維の膨化と均質化があり強皮症に一致する所見でした.聴診上は吸気終末にfine cracklesがありましたが胸部X線は正常でした.血清KL-6値も2,000 U/ml以上と上昇しておりましたので,胸部CTをとりました.画像の解説をお願いしてもよろしいでしょうか.

呼吸器内科医 胸部単純X線写真(図2)では両側下肺野で全体的に肺野濃度が上昇している印象がありますが,乳房の影響もあり,明らかな異常陰影として指摘することは難しいですね.胸部CT(図3)では下肺野優位に両側背側,胸膜下に分布する非区域性のすりガラス影を認めます.蜂巣肺はありません.fibrotic-NSIPパターンで,典型的な強皮症による肺病変と言えると思います.強皮症での肺病変の治療はどうしますか.

参考文献

1)Tashkin D, et al:Cyclophosphamide versus placebo in scleroderma lung disease. N Engl J Med 354:2655-2666, 2006
2)Goh NS, et al:Interstitial lung disease in systemic sclerosis;A simple staging system. Am J Respir Crit Care Med 177:1248-1254, 2008
3)Flaherty KR, et al:Prognostic implications of physiologic and radiographic change in idiopathic interstitial pneumonia. Am J Respir Crit Care Med 168:543-548, 2003
4)Yokoyama A, et al:Prognostic value of circulating KL-6 in idiopathic pulmonary fibrosis. Respirology 11:164-168, 2006
5)Jais X, et al:Immunosuppressive therapy in lupus-and mixed connective tissue disease-associated pulmonary arterial hypertension;A retrospective analysis of twenty-three cases. Arthritis Rheum 58:521-531, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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