icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 一般検査 尿検査

尿沈渣検査

著者: 中田純一郎1 富野康日己1

所属機関: 1順天堂大学医学部腎臓内科

ページ範囲:P.27 - P.29

文献購入ページに移動
異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 尿沈渣中にみられる有形成分は,腎に由来する各種円柱,腎・尿路系の各部に由来する赤血球・白血球・上皮細胞・異型細胞・細菌,そのほか尿中に析出する各種結晶,投与薬剤の結晶など,多種多様である.沈渣の種類とその量を鏡検することは,腎・尿路系疾患の鑑別とその程度を知るうえできわめて重要である.

 尿1lあたり1mlの血液が混入すると,肉眼的血尿として認識されるが,それ以下の場合は潜血反応または沈渣の鏡検で証明される(顕微鏡的血尿).腎実質,尿路いずれにおける病変でも,出血源となりうる.赤血球は,原因疾患によってその形態が異なる.すなわち,腎外性(尿路系から)の出血では,通常,円形かつ均一で赤血球円柱を認めないが,糸球体疾患による血尿(糸球体性血尿)では多彩に変形し,大きさは小さくなることが多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?