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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 一般検査 糞便検査

寄生虫検査

著者: 丸山治彦1

所属機関: 1宮崎大学医学部感染症学講座寄生虫学分野

ページ範囲:P.33 - P.34

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 寄生虫検査における便検査の異常とは,便中に寄生虫の虫体,虫卵,幼虫,シスト(囊子),オーシストなどが検出されることである.シストあるいはオーシストとは原虫の感染型で,宿主外に排出されて次の宿主への感染源となる.検出されないのが正常であり,検出されればそれだけで寄生虫感染の証明になる.

 便検査で感染が証明される寄生虫は,基本的に消化管およびその付属器(肺や胆管など)に寄生するもので,赤痢アメーバ,ランブル鞭毛虫(ジアルジア),クリプトスポリジウム,イソスポラ,横川吸虫,広節(日本海)裂頭条虫,糞線虫,鞭虫,回虫などである.肺吸虫や住血吸虫も便中に虫卵を検出できることがある.

参考文献

1)大西健児:東京都立墨東病院感染症科を受診した最近の赤痢アメーバ症について.病原微生物検出情報(IASR)28:105-106, 2007
2)Sato Y, et al:Efficacy of stool examination for detection of Strongyloides infection. Am J Trop Med Hyg 53:248-250, 1995

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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