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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 一般検査 髄液そのほかの穿刺液

胸水・腹水検査

著者: 三宅一徳1

所属機関: 1順天堂大学医学部臨床検査医学

ページ範囲:P.35 - P.36

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 腹水・胸水は,その成因から漏出液(trans-date)と滲出液(exudate)に大別される.漏出液は血漿膠質浸透圧の低下や静脈圧の亢進,血管壁透過性の亢進など非炎症性の成因によって貯留する.一方,滲出液は漿膜腔の感染症や悪性腫瘍の浸潤など局所の炎症に起因する.

 基礎疾患によることが明らかな場合を除き,胸水・腹水の貯留原因の確定は困難な場合も多く,漏出液と滲出液の鑑別,さらに臨床的に重要度が高い滲出性胸水・腹水では,その成因の鑑別のために穿刺が必要となる.検査項目としては細胞数算定および分画,pH,総蛋白,アルブミン,グルコース,乳酸脱水素酵素[LD(LDH)]活性,グラム染色,細菌培養などが標準的な検査であり,肉眼所見と疑われる病態により,生化学,微生物,遺伝子の各検査と細胞診を選択して追加する.なお,古典的なRivalta反応は滲出液に対する感度が50%程度であり,実施意義はない.

参考文献

1)日本臨床検査医学会ガイドライン作成委員会:胸腹水.日本臨床検査医学会ガイドライン作成委員会(編):臨床検査のガイドラインJSLM2009検査値アプローチ・症候・疾患・検査の評価法,pp 87-90,日本臨床検査医学会,2009
2)Romero S, et al:Light' s criteia revisited;Consistency and comparison with new proposed alternative criteria for separating pleural transdates from exudates. Respiration 67:18-23, 2000
3)Knight JA, Kjeldberg CR:Cerebrospinal, synovial, and serous body fluids. McPherson RA, Pincus MR(eds):Henry's Clinical Diagnosis and Management by Laboratory Methods, 21st ed, pp 438-450, WB Saunders Co, Philadelphia, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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