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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 外来でできる迅速キット検査

インフルエンザウイルス抗原検査

著者: 三田村敬子1 山崎雅彦2 市川正孝3

所属機関: 1永寿総合病院小児科 2座間小児科診療所 3市川こどもクリニック

ページ範囲:P.42 - P.44

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 インフルエンザウイルスはA, B, Cの3つの型があり,本邦で冬季に流行するインフルエンザはA型およびB型インフルエンザウイルス感染症である.A型とB型のウイルス粒子表面にはヘマグルチニン(hemagglutinin:HA)とノイラミニダーゼ(neuraminidase:NA)の糖蛋白抗原があるが,人畜共通感染症であるA型には16種のHAと9種のNAがあり,その組み合わせが異なった亜型に分類される.

 インフルエンザウイルス遺伝子は毎年小変異(連続変異)を繰り返す一方で,A型インフルエンザウイルスは数十年に一度,トリやブタなど動物のウイルスとの遺伝的再集合(不連続変異)によって誕生した新しいウイルスが新型インフルエンザとして世界的大流行を起こしている.近年は季節性インフルエンザとしてAソ連型(H1N1),A香港型(H3N2),およびB型が流行を繰り返していたが,2003年頃からアジアを中心に高病原性鳥インフルエンザH5N1の拡大とともにヒトへの感染例が続いており,さらに2009年には,ブタ由来の新型インフルエンザ「パンデミックインフルエンザA(H1N1)2009」がメキシコから全世界に広がった.

参考文献

1)三田村敬子,他:インフルエンザウイルス.小児臨 61:179-187, 2008
2)三田村敬子:インフルエンザの診断.最新医 65:37-44, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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