medicina47巻11号

2010年10月発行

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント　第8集 血液検査 血球検査

特殊染色

著者： 土屋達行¹

所属機関： ¹日本大学医学部病態病理系臨床検査医学分野

ページ範囲：P.75 - P.77

異常値の出るメカニズムと臨床的意義

　血液細胞に対する特殊染色とは，末梢血，あるいは骨髄塗抹標本上の細胞質内，あるいは細胞表面に存在するそれぞれの細胞に特異的な酵素，脂質，多糖類や微量金属などの物質を染色法によって染め分け，検出する方法である．これらの特定の物質を検出することで，細胞の同定，鑑別，細胞の機能，あるいは特定の物質の産生，不足などを推定することが可能である．多数の特殊染色があるが，本稿では主に臨床的有用性が高く，保険適応になっている染色法と臨床的意義について述べる．

参考文献

1）古沢新平：特殊染色法．三輪史郎（編）：臨床検査技術全書，pp 131-158，医学書院，1976

2）坂井保信：超生体染色．三輪史郎（編）：臨床検査技術全書，pp 168-176，医学書院，1976

3）丹羽欣正：ギムザ染色，ライト染色，メトグリュンワルド・ギムザ染色．Med Technol　別冊：264-269，1999

4）桜井典子：アルカリ性ホスファターゼ染色．Med Technol別冊：270-272，1999

5）阿南建一：エステラーゼ染色．Med Technol別冊：272-275，1999

6）亀井喜恵子：ペルオキシダーゼ染色．Med Technol別冊：276-282，1999

7）榊　尚男・他：酸ホスファターゼ染色．Med Technol別冊：283-289，1999

8）大竹順子：β-グルクロニダーゼ染色．Med Technol別冊：287-289，1999

9）田中由美子・他：TdT染色．Med Technol別冊：290-292，1999

10）東克己：ズダン黒B染色．Med Technol別冊：293-294，1999

11）安達真二：PAS染色．Med Technol別冊：295-297， 1999

12）亀井喜恵子：網赤血球染色，ハインツ小体染色，糸球体・中性赤顆粒染色，核小体染色．Med Technol別冊：298-303，1999

13）岡山直子：赤血球内胎児型ヘモグロビン染色．Med Technol別冊：304-307，1999

14）岡田美樹：鉄染色．Med Technol別冊：308-309，1999

15）古澤新平：DNA染色，RNA染色．Med Technol別冊：310-313，1999

16）榎本康弘：血小板ペルオキシダーゼ染色．Med Technol別冊：314-317，1999

17）須永良・他：免疫学的表面マーカーの染色．Med Technol別冊：318-324，1999

18）芳賀徹：墨汁貪食試験．Med Technol別冊：325-326，1999

19）東克己：NBT還元試験．Med Technol別冊：327-328，1999

20）土屋達行：特殊染色．Modern Physician 24：610-611，2004