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特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 血液検査 凝固・線溶系検査
APTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)
著者: 新谷憲治1
所属機関: 1笠岡市立市民病院内科
ページ範囲:P.87 - P.91
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凝固反応は,古くから内因系と外因系反応の2つの機構に分けて理解されている(図1).外因系反応は,通常血管外の組織中に存在する組織因子(tissue factor:TF)が,血中の凝固第Ⅶ因子と複合体を形成することから始まり,その結果,第Ⅶ因子が活性化(Ⅶa)され,そのⅦaは第Ⅹ因子に働いて活性化第Ⅹ因子(Ⅹa)を生成する.Ⅹaは第Ⅴ因子を補助因子として,プロトロンビン(prothrombin)に働いて活性型のトロンビンを生成し,トロンビンはフィブリノゲン(fibrinogen)に働いて,フィブリンを生成し,フィブリンは互いに重合する.この反応系を測定するのがプロトロンビン時間(prothrombin time:PT)である.
一方,血液は,組織因子を混入させないように注意深く採血しても,血管外に取り出してガラス管などに入れて静置しているだけで,自然に凝固する.この反応は,血液のなかにある成分だけで行われることから内因系凝固反応と呼ばれている.この反応を測定するのが,部分トロンボプラスチン時間(partial thromboplastin time:PTT)である.この反応では,ガラスなどの陰性荷電物質に血液が触れると,接触因子と呼ばれる一群の凝固因子[第Ⅶ,Ⅵ,プレカリクレイン(prekallikrein),高分子キニノゲン(kininogen)]が活性化されて,活性化第Ⅵ因子(Ⅵa)が形成される.Ⅵaは第Ⅸ因子を活性化(Ⅸaを生成)し,Ⅸaは第Ⅷ因子を補助因子として,第Ⅹ因子を活性化する.こうして生成されたⅩaは,上記の外因系の場合と同じように,第Ⅴ因子を補助因子としてプロトロンビンをトロンビンに変換し,フィブリンを生成する.
凝固反応は,古くから内因系と外因系反応の2つの機構に分けて理解されている(図1).外因系反応は,通常血管外の組織中に存在する組織因子(tissue factor:TF)が,血中の凝固第Ⅶ因子と複合体を形成することから始まり,その結果,第Ⅶ因子が活性化(Ⅶa)され,そのⅦaは第Ⅹ因子に働いて活性化第Ⅹ因子(Ⅹa)を生成する.Ⅹaは第Ⅴ因子を補助因子として,プロトロンビン(prothrombin)に働いて活性型のトロンビンを生成し,トロンビンはフィブリノゲン(fibrinogen)に働いて,フィブリンを生成し,フィブリンは互いに重合する.この反応系を測定するのがプロトロンビン時間(prothrombin time:PT)である.
一方,血液は,組織因子を混入させないように注意深く採血しても,血管外に取り出してガラス管などに入れて静置しているだけで,自然に凝固する.この反応は,血液のなかにある成分だけで行われることから内因系凝固反応と呼ばれている.この反応を測定するのが,部分トロンボプラスチン時間(partial thromboplastin time:PTT)である.この反応では,ガラスなどの陰性荷電物質に血液が触れると,接触因子と呼ばれる一群の凝固因子[第Ⅶ,Ⅵ,プレカリクレイン(prekallikrein),高分子キニノゲン(kininogen)]が活性化されて,活性化第Ⅵ因子(Ⅵa)が形成される.Ⅵaは第Ⅸ因子を活性化(Ⅸaを生成)し,Ⅸaは第Ⅷ因子を補助因子として,第Ⅹ因子を活性化する.こうして生成されたⅩaは,上記の外因系の場合と同じように,第Ⅴ因子を補助因子としてプロトロンビンをトロンビンに変換し,フィブリンを生成する.
参考文献
1)高宮 脩:活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT).検と技 19(増):187-190, 1991
2)Kasper C:Laboratory diagnosis of factor VIII inhibitors. Kessler C(ed):Acquired Hemophilia, Excerpta Medica Inc, Princeton, NJ, 1995
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