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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 血液検査 凝固・線溶系検査

フィブリノゲン

著者: 村上直己1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.96 - P.97

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 血管組織が傷害を受けると,血小板による一次止血とともに凝固系が発動される.フィブリノゲンは凝固系の最終段階に関与する凝固因子で,トロンビンの作用を受けてフィブリンとなり,最終的に強固なフィブリン血栓を形成する中心となる(図1).フィブリノゲンは肝臓で産生されるため,さまざまな肝障害による産生低下により低値をとる.また,播種性血管内凝固(disseminated intravascular coagulation:DIC)など凝固促進・凝固因子消費亢進をきたす病態があれば低値となる.また,一次線溶亢進状態ではプラスミンの作用を受けてフィブリノゲンの分解亢進が進み,低値を示してくる.稀に先天性無フィブリノゲン血症・異常フィブリノゲン血症による低値がある.

 一方,フィブリノゲンは,感染・炎症など,さまざまな病態に反応して高値を示す.

参考文献

1)奈良信雄,他:臨床検査学講座;血液検査学,第3版.医歯薬出版,2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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