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文献詳細

雑誌文献

medicina47巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集 血液検査 凝固・線溶系検査

プロテインC,プロテインS

著者: 鈴木宏治1

所属機関: 1三重大学

ページ範囲:P.104 - P.106

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生理作用と臨床的意義

 血管傷害部位では血液の漏出(出血)を阻止するため止血血栓が形成される.しかし,正常な血管内では血液の流動性が維持されており,血栓の形成は阻止されている.この理由は,血管内皮上に強力な血液凝固阻止機構が存在するためである.血管内皮上の主な血液凝固阻止機構には,アンチトロンビン(antithrombin:AT)制御系とプロテインC(PC)制御系がある.AT制御系については別稿(p. 98)で述べられるため,本稿ではPC制御系について記述する.

 PC制御系の主な生理作用は抗凝固作用と抗炎症作用(細胞保護作用)である.この制御系には図1に示す血漿蛋白質のPC,プロテインS(PS),PCインヒビター(PCI),補体系制御因子のC4b結合蛋白質(C4b-binding protein:C4BP)および血管内皮細胞膜蛋白質のトロンボモジュリン(TM),PC受容体(endothelial protein C receptor:EPCR),プロテアーゼ活性化受容体-1(protease-activated receptor-1:PAR-1)などが関与する.

参考文献

1)Dahlback B, Villoutreix BO:Molecular recognition in the protein C anticoagulant pathway. J Thromb Haemost 1:1525-1534, 2003
2)Esmon CT:Protein C anticoagulant pathway and its role in controlling microvascular thrombosis and inflammation. Crit Care Med 29:S48-S51, 2001
3)Suzuki K, et al:Protective role of activated protein C in lung and airway remodeling. Crit Care Med 32:S262-S270, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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